「アパホテル」徹底効率化を裏付ける「公式Q&A」チャットボット使用の最先端

 ホテルチェーン大手「アパホテル」のとある店舗の公式ページが話題となっている。FAQ(よくある質問)の「大浴場について」のQ&A32項目の回答がすべて「当館に大浴場はございません」で、これに《あまりに狂気的だ!》との声が上がっていたのだが、実はこのQ&Aの裏にこそ、同ホテルチェーンが成功した秘訣が隠されているという。

「注目を浴びたのは『アパホテル 東京板橋駅前』のページに掲載されていたFAQの大浴場に関する項目で、『体重計はありますか?』『大浴場は日帰りでも入れますか』『大浴場は温泉ですか』『サウナはありますか』など32の質問に対して、すべての回答がコピー&ペーストされたかのように『当館に大浴場はございません』となっていたのです」(WEBメディア記者)

 むしろ非効率なやり取りとも思えるが、アパホテルによると公式ページのQ&Aはより多くのお客様の疑問に回答できるようにと、チャットボットの質問をもとに全店共通のフォーマットを作成しているという。そのため、大浴場がないホテルでは「東京板橋駅前」に限らず、同様の現象が発生していたのだそうだ。 

 なお、現在は「東京板橋駅前」の大浴場に関するページの質問は「大浴場はありますか。利用時間を教えてください」の一つだけに修正されており、回答はもちろん「当館にはございません」となっている。

「異様に思えたQ&Aは実はチャットボットを利用して作成されたものだったとは、実にアパホテルらしい話ですね。同グループは51年連続で黒字経営を続ける日本でも屈指のホテルチェーンですが、アパが成功した秘訣は徹底的な効率化にこだわっているところにあると言われています。客室をあえてコンパクトにすることで必要な機能を集中させたり、浴槽を卵型にすることで湯量を通常の約80%に節約したりと徹底的に効率化させて無駄を省いているのです。Q&Aにチャットボットを使用しているのもまさにその一環で、おかしいという指摘が入ればすぐに修正する柔軟性も持ち合わせている。さすがと言わざるを得ませんね」(経済ジャーナリスト)

 アパホテルはこれからもまだまだ成長を続けそうだ。

(小林洋三)

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