ウクライナ兵の戦時食に寿司が採用されていた!

 ロシア軍侵攻からちょうど1年を迎えるウクライナ。実は、あまり知られていないが、同国では日本の寿司が大人気。日本貿易機構(JETRO)が19年3月に発表した「ビジネス短信」によると、郊外を含む首都キーウには「474店の日本食チェーンが存在」と伝えている。
 
「戦争が起きる前は、日本食とまったく関係ないレストランやカフェでも提供され、スーパーのお惣菜コーナーにも置いてありました。普及し始めたのはここ20年ほどのことですが、いまやウクライナ名物と言っていいほど現地では浸透しています」(元キーウ駐在員)

 グーグル・トレンドの分析によれば、21年に寿司関連の検索を行った割合の高い地域の3〜5位には、オデーサ、ハルキウ、キーウとウクライナの3都市がランクインしている(日本は除く)。それだけ寿司が大好きな国民ということになるが、それは戦火の中でも変わらないようだ。
 
 22年10月にはウクライナ内務大臣顧問のアントン・ゲラシチェンコ氏が、ウクライナ兵たちが寿司を食べる動画と「ウクライナ軍のランチです。ボルシチと寿司、あなたならどっち?」というメッセージを投稿。しかも、この投稿を日本の新聞記者がリツイートすると、コルスンスキー駐日ウクライナ大使が「ウクライナは寿司の消費で世界第2位だって言ったでしょ」といったお茶目なコメントを寄せたことも大きな話題となった。

「実は、これ以前から兵士が寿司を食べる動画がネット上には投稿されています。さすがに特別なメニューだと思いますが、自衛隊でも寿司は駐屯地内の一部の食堂で提供される程度。任務中に寿司が食べられるのは世界でもウクライナ軍だけでしょうね」(軍事ジャーナリスト)

 兵士に支給されるレーション(糧食)は、マニアの間では「ミリ飯」と呼ばれて人気だが万人受けするような代物ではない。ウクライナ兵も大好きな寿司を食事として用意することは、彼らの士気のアップにもつながっているようだ。

※画像はゲラシチェンコ内務大臣顧問のツイッター(@Gerashchenko_en)より

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