「回転ずしテロ」に食べ放題の飲食店・ホテルが戦々恐々「恐れていた事態が!」

 レーンを流れる寿司の皿にスプーンに盛ったわさびを乗せる動画、他の客が注文した寿司を横取りして食べる動画がSNSで拡散された「はま寿司」に続き、「スシロー」でも客が湯飲み茶碗や醤油の注ぎ口を舐めるという悪質なイタズラ動画が発覚。深刻なダメージにあえぐ回転寿司業界。
 
 ネット上では一時期出回った「バイトテロ」に続き、「回転寿司テロ」とも呼ばれているが、これに戦々恐々としてるのが焼肉やしゃぶしゃぶなどをはじめとする食べ放題店だ。
 
 全国展開する食べ放題しゃぶしゃぶチェーンの運営会社社員は「恐れていた事態がついに起きてしまった。ああいうイタズラをされると防ぎようがない」と本音を漏らせば、大手焼肉食べ放題チェーンの店長も「お客が直接食材を取りに行くスタイル。イタズラをしようと思えばいくらでもできる」と困惑する。

 また、飲食業界だけではなくホテルや旅館なども一連の事件に警戒を強めている。食事をバイキング(ビュッフェ)形式で提供するところが多く、利用者の善意に委ねられている部分が大きいからだ。

「会議では夕食をオーダー式ビュッフェやお膳に変更する案も出ましたが、コストや手間の問題もあります。やろうとすれば宿泊料金を上げざるを得ず、それだと客層が変わって営業方針そのものを見直さなければいけなくなります」(温泉ホテル営業担当)

 なにより一番怖いのはイタズラ動画が拡散した際の風評被害。衛生面で問題があるとの印象を与えてしまい、客足が減ってしまうおそれもある。大手チェーンは余力があるからまだいいが、小規模チェーンや個人店舗だと最悪閉店や廃業に追い込まれる可能性もある。

「特に2〜3月は卒業旅行シーズンで高校生・大学生のグループ客が増えます。盛り上がって悪ふざけする若者が出なければいいのですが…」(前出・営業担当)

 バイトテロも今回の回転寿司テロも短期間のうちに立て続けに発生している。これ以上、模倣犯が増えないことを祈るばかりだ。

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