原発政策は「政治の責任で」萩生田政調会長に「どの口が言う」反発の声が噴出

 12月22日、首相官邸で「グリーントランスフォーメーション(GX)実行会議」が開かれ、政府は原発政策を大きく転換。これによって、次世代型原子力発電所の開発・建設を推進し、既存原発の運転期間も60年超に延長されることになる。

 自民党の萩生田光一政調会長は12月25日放送の「日曜報道 THE PRIME」(フジテレビ系)に出演、元大阪府知事の橋下徹氏と原発政策について議論を展開した。
 
 番組では原発の稼働状況を解説。現在、安全審査に合格している原発7基のうち、3基は地元の同意が得られていないため、再稼働の目途がたっていない状況だという。
 
 そこで橋下氏が提言したのは「住民の声にもルールを」というもの。橋下氏は「原発の再稼働に必要なプロセスとしては、安全審査と安全対策工事」と説明し、さらに「安全審査」から「再稼働」にいくまでには、現状では「地元同意」というプロセスが必要と説明した。そのうえでこの「地元同意」を、「法律にないプロセス」「再稼働を難しくしているところ」と指摘。「地元の声は聞くべき」としながらも、「エネルギーとかの国策に関しては、政府が、また国会議員が責任を持って進めるべき」と持論を展開。原発だけでなく、使用済み核燃料の最終処分場、在日米軍基地を例に挙げて、「地元の住民が反対するのはしょうがないんですけど、それじゃあ国が動かないので、地元同意というところを今なんとなくボヤーッと選挙で左右されている状況をキチッと法律的プロセスを定めるべき」と提言した。
 
 この橋下氏の意見に、萩生田氏は「地元のみなさんの意見と国民のみなさまの意見ってたびたび乖離しますよね」として、「地元同意を法律に位置付けるっていうのは、逆に私は問題を難しくする一面もあるんじゃないか」と異を唱えながらも、「最後は政治が決断しなきゃならないテーマっていくつかあって」と、新型コロナや防衛費問題、原発の再稼働などと例を並べて、こう語った。
 
「ある意味では国民のみなさんの同意を得てやるというよりは、国の大きな政策方針なので政治が責任を持たなきゃならないと思ってますので、その中のひとつのテーマだと思います」

 萩生田氏が「政治が責任を持つ」と述べたことで、視聴者からは《責任うんぬんってどの口が言う》《旧統一教会とのズブズブ問題、説明責任果たせよ》《不祥事以外で責任取った政治家いるのか》《橋下氏も萩生田氏も民主主義をなんだと思ってるんだ》といった意見が噴出。
 
 萩生田氏は10月の衆院予算委員会で旧統一教会との関係について「国民の皆さまに深くおわびをし、反省しなければならない」と陳謝したが、原発再稼働のリスクに対してどんな責任の取り方を考えているのだろうか。

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