「ファミチキ」クリスマス翌日の「値上げ」には切実な事情があった

 ファミリーマートは12月9日、定番商品「ファミチキ」を198円から220円に値上げすると発表した。今年8月に続き2度目の値上げとなるためネット上では落胆の声も少なくないが、一部では「さすがファミマ」とする声も見られる。

「今回の値上げは原材料などのコスト高騰や為替の影響によるもので、ファミチキの他にクリスピーチキンが160円から178円へ、ハッシュドポテトが108円から128円へ、炭火焼鳥とりももタレが108円から128円に引き上げられるなど、ホットスナック・惣菜が12商品18〜25円値上げされます。中でもファミチキは今年2度目の値上げとなり、2016年から180円に価格が据え置かれていたものが今年だけで40円も値上げされている。やはり顧客のショックはかなり大きいですね」(フードライター)

 ただ、値上げはチキンの購入者が増えるクリスマスが終わった12月26日から実施されるため、ネット上では《値上げは悲しいが、ファミマさんの心遣いが本当にありがたい》など感謝する声も上がっている。ファミリーマートは昨年12月に「日本で人気のあるチキンのお店」の調査結果を発表し、「日本で人気のチキンと聞いて、思い浮かべるお店」の第2位(40.1%)、「美味しいと思うチキンの店」でも第2位(24.0%)にランクイン。クリスマスのチキン販売数も伸びているため、ファミチキの値上げがクリスマス後になることを喜んでいる人も多いようだ。

「ファミチキの値上げをクリスマス後にしたのにはファミマとしても切実な理由があるようです。というのも、今年はクリスマスイブが土曜日、クリスマスが日曜日で、クリスマスが休日と重なった場合は外出先で過ごす人が増えることから、コンビニのチキンの売上は減少する傾向にあると言われている。そのためクリスマス前の値上げで売上がさらに減るのを回避したかったと思われます」(経済ジャーナリスト)

 値上げ前となる今年のクリスマスのファミチキの売上は果たしてどうなる?

(小林洋三)

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