2022年も残すところあと1ヶ月足らず。大掃除の準備に入る家庭も多い時期だが、掃除術にまつわる誤解がネット上で話題となっている。11月29日は、語呂合わせから「いいにくいことをいう日」として、Twitter上では企業アカウントなどがぶっちゃけツイートを投稿するのが例年お決まりとなっているのだが、洗剤・医薬部外品の製造で知られる第一石鹸株式会社が投稿したツイートに衝撃が走った。
同社はこの日「#いいにくいことをいう日」のハッシュタグをつけて、こうツイートを投稿した。
「重曹とクエン酸を混ぜると勢いよく泡が立ちますが、中和しちゃうので汚れはあまり落ちません」
投稿にはイラスト付きの画像が添付され、詳細な解説も記載されている。
「クエン酸に重曹を混ぜ合わせて水を加えると、中和反応により『二酸化炭素』の泡が勢いよく発生しますが、この泡自体にこびりついた汚れを洗浄する効果はありません。これらを混ぜ合わせるとお互いの洗浄効果を打ち消しあってしまうため、製品をお使いになる時は、それぞれ単独でお使いください」
この投稿にネット上では《いつもこの方法で掃除してたのに効果なかったと聞いてショック》《泡めっちゃ出るから掃除した気分になってた…》《マジか…あの泡立ちの期待感に騙されてた!》と、ユーザーから驚きの声があがっている。重曹とクエン酸を混ぜるという掃除方法は、どうして広まったのだろうか。
「近年では環境配慮の観点などから、化学薬品を含む洗剤ではなく、自然由来の素材を使用して掃除をする『ナチュラルクリーニング』(通称“ナチュクリ”)が主婦の間で浸透しています。自然由来の成分であっても、汚れの性質を理解して適切なアイテムを使用すれば十分な洗浄力があるという認識が広まっているのです。その中でも、重曹とクエン酸は“ナチュクリ”派の代表的なアイテム。様々な掃除術がネット上に掲載される中で、台所掃除の際に重曹とクエン酸を混ぜて使うという掃除術を紹介するサイトも多々あります。そうしたサイトでは、発泡により汚れを浮かすといった効果を謳っているのですが、頑固なこびりつき汚れには意味を成しません。ネットから得た知識が伝聞的に広まり、誤った認識のまま実行してしまっている人が多いのかもしれません」(生活情報誌ライター)
同社はこの2つのアイテムの使用方法について「時間差攻撃」を推奨しており、ホームページには様々なシーンに合わせた掃除術が掲載されている。大掃除前のこの機会に、自身の掃除方法が正しいものか確認してみては?
(浜野ふみ)