北陸最大の祭りとして知られ、古都・金沢の初夏の風物詩となっている「金沢百万石まつり」。その目玉といえば、甲冑姿の武者らによるパレード「百万石行列」で、加賀藩の礎を作った開祖・前田利家とその妻・まつを、毎年芸能人が演じることでも有名だ。
11月28日、来年6月3日に行われる百万石行列の出演者が発表された。前田利家を歌舞伎俳優の市川右團次、まつを女優の紺野まひるが演じる。
市川といえば、ドラマや歌舞伎以外の舞台経験も豊富で、慶応大学法学部出身の高学歴を生かしてバラエティ番組にも多く出演している。宝塚出身の紺野まひるは、退団から今年で20年になるが、ずっと第一線で活躍。最近では今年4月まで放送されていたNHK朝ドラ「カムカムエヴリバディ」にもレギュラー出演していた。
ところが、どちらも実績十分の実力派で、各メディアもこぞって報道したものの、反響は今ひとつで、ネット上でもいまひとつ盛り上がっていない。
「盛り上がるのは祭り当日で、反響は例年と変わりません。ただ、11月6日に開催された『ぎふ信長まつり』では木村拓哉が織田信長に扮し、観覧券の応募ハガキの総数が96万通に達するなど、発表された段階で社会現象になりましたからね。金沢百万石まつりのほうが歴史も長く、知名度も上でしたが、世間からは二番煎じのように捉えられてしまったようです」(地元記者)
加えて金沢百万石まつりは、今年の開催でちょっとしたケチがついている。
「今年6月の百万石行列には俳優の竹中直人と女優の栗山千明が出演しました。ところが、金沢市の実行委員会が、撮影、録画、SNSに投稿することを禁止したのです。これに批判が殺到し、すっかり評判を落としてしまった。来年は撮影を許可する方針ですが、ぎふ信長まつりは最初から撮影OKでキムタクが撮り放題。比較するなというのがムリな話かもしれません」(前出・記者)
市川と紺野には、前評判やキムタクとの比較などにめげず、堂々と加賀百万石の開祖を演じてほしいものだ。