岸田総理「東大コンプレックス」の呪縛(1)財務官僚に「“シケタン”どれぐらいやったの?」

 相次ぐ閣僚の更迭で頭を悩ませる岸田総理。早稲田大学出身の国会議員が集った会合では「今はちょっと孤独で辛い時もある」と弱音も吐いた。しかし、崖っぷち総理が全面的に頼りにするのは母校の仲間たちではない。なぜにそこまで? 周囲はまるで〝信仰〟に近い、そのコンプレックスに振り回されているのである。

 閣僚に相次いで問題が起ころうとも、どこか馬耳東風の感がある岸田文雄総理(65)。外遊を優先し、地元で行われる来年の広島サミットへの地ならしに力を入れる姿ばかりが目につく。

 その根底には、野党が弱いから何があっても大丈夫、いざ選挙となれば連合(日本労働組合総連合会)にも唾をつけてあるし、公明党もいる。負けるはずがないとの安心感があるようだが、どうもそれだけでは片づけられない不可解さが残る。

 そんな中、政府関係者が、その独特な思考パターンについて、唖然とさせられてしまうことをこっそりと明かした。

「岸田総理の思考上のキーワードは『東大』だ。東大への思い入れは半端じゃない。官僚と話している時も、折に触れて、東大の話を持ち出す。特に財務官僚(旧大蔵官僚)に対する場合には、突っ込んだ話になる。『君、東大法学部なんだろう?』と切り出し、さらに『受験時には〝シケタン〟〝シケジュク〟どのくらいやったの?』などと言い出すようなこともある。よほど東大に憧れていた、入りたかったのだろう」

 ちなみにシケタンとは「試験に出る英単語」のことで、シケジュクとは「試験に出る英熟語」のことである。岸田総理が受験生であった頃、東大を目指す学生の間で必須の暗記アイテムとされていたものだ。

 同関係者によれば、こうした場違いな質問をしたあと、「俺も、もう少し、やっておくべきだったなあ」などと当時を述懐してつぶやくという。しかも「いいなあ、東大、大蔵。素晴らしいエリートだ」と、うらやましげに相手を持ち上げることもあるというのだ。

「3回受けてもダメだったがゆえの東大コンプレックスなのかもしれないが、総理の場合、やっかみではなく、純粋な羨望の形となっており、しかも相手を評価するベースとなっているのが、これまた不思議なところだ」

 そんな見解を示しつつ、同関係者は岸田総理の政治の場における「東大→大蔵信仰」に話を転じた。

「側近として最も信頼している木原(誠二内閣官房副長官・52)も東大→大蔵。それに、統一教会問題で実質的に更迭された山際(大志郎氏・54)に代わって経済再生担当相に抜擢された後藤(茂之氏・66)も、やはり東大→大蔵だ。彼らに任せておけば大丈夫と思ってのことだろう。政権運営においてさえ、それほど学歴等に重きを置いている」

(ジャーナリスト:時任兼作)

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