熱戦続くサッカーW杯。我らが日本代表も初戦のドイツを今大会でも1、2を争う大番狂わせで撃破! 第2戦はFIFAランキングも格下のコスタリカだったが、まさかの敗戦。ネットでは戦犯の吊るし上げが熱を帯びているが、ほぼ“自滅”とも言える戦いで世紀の「ぬか喜び」に終わっただけに、ファンの怒りが治まるまでは致し方ないのかもしれない。
そうして日本代表と森保一監督への評価が乱高下する中、200億円を投じてABEMAで全64試合の無料配信の勝負に出たサイバーエージェントへの関心も同じように乱高下している。
「藤田晋社長が『メディアとしての格を上げる』として、ABEMAでの無料配信を発表したのが今年3月。今回のカタール大会での日本向け放映権料は350億円以上のうち、NHKが150億円、テレビ朝日とフジテレビが60億円と見られているので、ABEMAがいかに大きな勝負に出たかが分かります。もちろん視聴者が増えれば広告収入の増加が見込めるわけですが、それにしても全試合タダは大盤振る舞い。同社はモバイルゲームの『ウマ娘 プリティーダービー』が21年に世界的に大ヒットしたので、そのおかげの大勝負とも言われています」(経済ジャーナリスト)
そうしたところ、日本代表がドイツを撃破したのだから、藤田社長の賭けが当たった。ネットやSNSでは「藤田さん、やっぱり持ってるなぁ」「最大の勝者は藤田社長である説」との声が上がっていた。
もともと今大会は事前の盛り上がりに欠け、開幕戦のカタール対エクアドルの視聴率は過去最低を記録していた。
ところが日本代表がドイツを下したことで国内の空気は一変。地上波の視聴率はイマイチでも、ABEMAは元日本代表の本田圭佑のユニークな解説が話題にもなって、累積接続者1300万人超えで、評判がうなぎ上りに高まっていた。
「サイバーエージェント社の株価もドイツ戦前日の22日は1210円だったところが、24日には1300円も超えて1350円付近まで上がりました。ところが日曜のコスタリカ戦の敗戦を受けた28日月曜は急転直下の1265円スタートで、結局1241円で引けました」(同)
これにはさすがにネットでも「日本代表って仕手株かなんかなの」との声も。
ただ日本代表もまだスペイン戦を残しているわけで、株価が元値を割っていないのもその希望があってのことかもしれない。いずれにせよ日本代表の勝敗の行方ともども、ABEMAの挑戦の一喜一憂も続く。
(猫間滋)