「ミヤネ屋」でコロナ死者数のカウントをめぐり医師と弁護士が大バトル!

 11月22日放送の情報番組「情報ライブ ミヤネ屋」(日本テレビ系)で、新型コロナウイルスの死因をめぐって、宇都宮市のインターパーク倉持呼吸器内科院長の倉持仁医師と、弁護士でコメンテーターの野村修也氏のバトルが勃発した。

 この日の放送では、コロナの感染拡大について特集。コロナによる死者数のカウントについて、野村氏は「風邪が引き金となって、そこから持病が悪化して亡くなる方は、悪化した持病を死因として死亡診断書に書いていた」とし、「死亡診断書は因果関係のあるもの全部書いて、一番下のものが死因。(一番下に)風邪と書かなければ、風邪が死因とはならない」と続け、「ところが、今現在は(コロナは)2類相当になっているので、必ず報告される。一番下のところにコロナと書かれると、コロナが死因ということになる」と説明した。

 司会を務めるフリーアナウンサーの宮根誠司は「心筋梗塞でお亡くなりになった方を調べたらコロナでした。となると、コロナで死亡ということになるんですよね?」と具体例を示した。

 すると、倉持氏は「いえ、その場合は心筋梗塞で死亡という形になります。野村さんのおっしゃるようなことが、医療の現場では実際は起こっていませんから、それはちょっと認識が違うのかなと思います」と完全否定した。

 持論を否定された野村氏は「コロナが死因になるのはどんなケースですか?基礎疾患と競合するような場合で、基礎疾患をとらずにコロナが死因になるのは?」と質問。

 倉持氏は「コロナになって、もともと腎臓が悪い方の腎不全がさらに進行して最終的に体に毒素がたまって高カリウム血症で不整脈を起こしたとか‥‥」と説明しているときに野村氏が割り込み、「それって、過去の風邪のときも起こった現象ですよね」と突っ込むと、倉持氏は「過去の風邪を、どういった疾患を風邪と広く言っているのか、よくわからないのですが‥‥」と困った様子。野村氏は「ほとんどの風邪は死因とは書いてこなかったはずですよね」と追撃した。

 しかし、倉持氏は「風邪の場合、感染症がきっかけでなった場合、何らかの記載はあると思います。最終的に致命的になった原因について書く場合が多い。風邪をきっかけで食欲がなくなって、もともと持っていた心不全が悪化した場合はお医者さんの判断で心不全という書き方をする」と説明。

 野村氏は「何となくお医者さんの判断なんで。お医者さんがけっこうコロナをたくさん書いていれば、コロナが死因になるんじゃないかなという感じもしなくはないので」と徹底抗戦した。

 2人のバトルについて、「野村氏が倉持先生から全否定され、ムキになった」「弁護士の知ったかぶり発言」などと野村氏を非難する一方、「交通事故で亡くなっても検査しているよね」「倉持先生に攻め込んでいる」などと支持する声も上がった。

「20年6月14日の『読売新聞オンライン』によると、陽性者が亡くなった場合、多くの自治体では死因に関係なく『コロナ死』として集計しているとのことでした。ただ、一部の自治体は陽性であっても、死因が別にあると判断した場合、コロナ死から除外しているそうです」(医療ジャーナリスト)

 この勝負、引き分けか。

(石田英明)

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