「たった9000円のアップでドヤ顔されてもなぁ」
「介護事業者の倒産が過去最多って知らんのか」
自民党片山さつき参院議員への批判がネット上で相次いでいる。11月18日深夜放送の「朝まで生テレビ!」では困窮する国民生活をテーマにパネリストたちが議論を展開。番組中盤では、立憲民主党の中谷一馬衆院議員が、「賃上げはしていくべきだと思います」と提言。「5%から10%くらいの水準で最低賃金1500円にしていくべきだと思っていますし」として、消費税については「野党は一致結束して消費税の減税法案を出させていただいます。要するに経済がダメな時に減税をするっていうのは経済学的には当たり前の話ですから、軌道修正をどんどんしていってる政党というのはぜひ発信させていただきたい」と述べた。
また、立憲民主党の枝野幸男前代表が11月12日、消費税率の引き下げについて「政治的に間違いだったと反省している」と述べたことについては、「その公約で(昨年の)選挙を戦って負けてしまったことが問題だったと言っている」として、減税政策そのものは間違いではなかったと説明した。
他のパネリストが「じゃあぜひ、消費税は減税すべきだっておっしゃってくださいよ」という問いかけに、中谷氏は「私はそう思っていますし、(消費税)5%以下の減税というのは野党みんなでやっていくことですから」と断言した。
これに噛みついたのが、片山さつき氏だった。割り込むように声を張り上げて、「まず申し上げたいのは、まず民主党さんに申し上げたいのは、我々はちゃんと9000円上げたんですからね!介護も保育も!」と語り、さらに「あなたがたはやらなかった!9000円上げてないでしょ?あなたがたの政権は!そこは言う資格ないですよ」と糾弾した。
片山氏が言う「9000円」とは、保育士や介護職員を対象にした政府の「賃上げ額」。岸田文雄政権は昨年11月の閣議決定で、「収入を3%程度引き上げるための措置」を今年2月から実施するとしていたが…。介護業界に詳しいジャーナリストが明かすには、
「実際に給与が9000円まるまるアップしたという話は聞きません。というのも国が一律で職員の給与を補填する制度ではなく、補助金の申請などはすべて事業者まかせ。申請には賃上げに関する計画書などが必要で、しかも対象期間は今年9月で締めきっています。おまけにこの物価高ですからね。ドヤ顔で『9000円上げた!』というほど、職員の待遇改善にはつながっていないのが現状で、無知で傲慢としか言いようがありません」
東京商工リサーチの調査では、今年9月までの介護事業者の倒産は100件で過去最多ペースとなっている。たとえ9000円アップしていたとしても勤務先がなくなっては元も子もないだろう。