来春開催のワールド・ベースボール・クラシック大会(WBC)の登録選手数が、従来の28人から30人に拡大されることになった。
目的はシーズン開幕前の3月開催による選手の負担を軽減するため。「30人中投手は14人以上、捕手は2人以上のエントリー」が義務づけられるそうだが、「プラス2人分」はメジャーリーグに在籍する「日系人選手」が追加招集されるという。
「WBC大会をサポートするNPB事務局の一部スタッフは『選手登録数が30人』になることを、かなり早くから聞かされていたようです」(球界関係者)
そのため、日系人選手の候補リストも出来上がっていて、カージナルスのラース・ヌートバー、ガーディアンズのスティーブン・クワンの両選手が最有力だという。
「クワンは確定でしょう。大谷翔平も推しているそうです」(前出・球界関係者)
クワンは今季メジャーデビューした左投げ左打ちの外野手。身長175センチとメジャーリーガーとしては小柄だが、新人王レースでも3位にランクインされた若手有望株だ。「イチローが憧れ」とも話していて、空振りが少なく、バットコントロールの良さにも定評がある。
「父親が中国系アメリカ人で、母親の祖父母が日本人。母親は日本で出生しており、クワンは日本代表の選手資格を有しています。本人も日本代表に前向きのようですね」(米国人ライター)
また、ヌートバーは右投げ左打ちで同じく外野手。得点圏打率が高いだけではなく、2アウトだと3割8分以上の成功率を誇るクラッチヒッターだ。母親が日本人で、両親とも理系の最高峰カリフォルニア工科大学の出身という「インテリ家庭」で育った。
2人が代表入りすれば、侍ジャパンの新エッセンスとなってくれそうだが、こんな指摘も聞かれた。
「侍ジャパンの日本人選手は外国人投手特有の動く直球、ムービングボールが克服できていないから、日系人のメジャーリーガーを探すことになったんです。韓国も韓国系アメリカ人の選手が代表入りする方向で、その動きを察した日本の関係者が日系人選手のリストを作成したのです」(前出・球界関係者)
ヌードバー、クワンともに日本語の習得を急いでいるという。日系アメリカ人の侍ジャパン入りには賛否両論が出そうだが、イチロータイプとクラッチヒッターである。戦力としてはもちろんだが、日本国内でも人気が出そうだ。
(スポーツライター・飯山満)