アウトドア用品「モンベル」が富山県立山町の依頼で制作した通学用バックパック「わんパック」を全国発売することが明らかとなった。革のランドセルに比べ軽いことから、ランドセルを背負うことで起こる健康被害「ランドセル症候群」防止に期待が高まっている。
「立山町の舟橋貴之町長が、平均購入額が5万円以上とランドセルが高額化する中で、包括連携協定を結ぶモンベルに対して安くて丈夫な通学用バックパックの制作を依頼。町は来年度に町立小学校に入学を予定する178人に無料配布する予定です。わんパックは重さ900gと一般的なランドセルに比べて200g程度軽く、A4ファイルサイズのものが収納でき、タブレット専用の背面ポケットも備えています。防水性にもすぐれ、6年間使える耐久性もあるうえに、価格は1万4850円とランドセル平均購入額の3分の1以下というリーズナブルな価格になっているのです」(社会部記者)
実際にこのバックパックを体験した小学生からは「普通のランドセルよりも軽い」と好評を得ており、全国の自治体からも多くの問い合わせがあったことから、今年12月中旬から全国のモンベルストアで販売を決めたという。これにネット上では《子供に革のランドセルはあまりにも重そうだし、アウドドアブランドが機能性の高いランドセルを作ってくれるのは素晴らしいこと》《重さ的に子供の負担にならないのはもちろん、経済的に親の負担にならないのもいいね》《もうランドセルは全部これでいいのでは?》など絶賛する声が相次いでいる。
「革のランドセルは年々軽量化されているものの単体で1kg以上の重さがあり、教科書やタブレットなど中身を含めると総重量は5kg以上になることも珍しくありません。こうした重いランドセルを毎日背負って通学することで体に不調をきたすランドセル症候群に小学生の7割が悩まされているとも言われ、大きな問題となっています。ただ、小学校には革のランドセルを使用しなければいけないという義務はないのですが、多くの保護者が革製を選択しているのが実情。今回、そうした中で選択肢が増えたというのは、素晴らしいことだと思います」(フリージャーナリスト)
今後、モンベルのランドセルを選ぶ小学生が増えるかもしれない。
(小林洋三)