10月14日、今年に入り27回目となるミサイルを発射した北朝鮮。さらに、韓国軍合同参謀本部は、18日夜から19日にかけ、約350発の砲射撃が行われたことを発表した。
「18日夜から行われた砲射撃は、一方が南西部・黄海道から黄海へ、そしてもう一方は、南東部・江原道から日本海に向けて行われ、いずれも韓国と北朝鮮が定めた緩衝区域内に着弾しています。北朝鮮は、韓国が17日から実施中の『護国訓練』に対する威嚇警告射撃だとしていますが、狙いはむろん、韓国とともに演習に参加する米国を振り向かせたいからに他ならない。前大統領のトランプ氏から一転、まったく相手にしてくれないバイデン氏に対する相当ないらだちが見て取れますね」(全国紙記者)
そんな中、金総書記との会談や同氏から送られた書簡の内容などについて触れた、トランプ前大統領のインタビュー音源を収録したオーディオブックが25日に発売されることになり、全米で大きな話題を呼んでいる。
トランプ氏をインタビューしたのは、米紙ワシントン・ポスト在籍のジャーナリスト、ボブ・ウッドワード氏。オーディオブックには、16年から20年にかけ、同氏がトランプ氏に対し行ったインタビュー20回分が収録されている。
「米CNNによると、金氏についてのインタビューは2019年12月に、ホワイトハウスの大統領執務室で行われ、トランプ氏は金氏との会談を『実際のところ、状況がどうなっていくのかは誰にも分からないわけだから。ただ非常に荒い物言いではあった。これ以上ないほど荒かった』として、核開発をめぐる議論の中では、『核のボタン』に言及する金氏に対し、トランプ氏は『こちらのボタンの方が大きい』とやり返すなど、当時の生々しいやり取りが記録されているようです」(同)
2018年6月と19年2月、同年6月の3回にわたり行われた両首脳による会談。インタビュー中、トランプ氏は、韓国と北朝鮮を隔てる非武装地帯で金氏と一緒に撮影した写真を見せ、軍事境界線上を歩いた際の話を満足げに語ったうえで、「私からもらったとは言わないように。いいね?」と念を押し、金総書記からの書簡をウッドワード氏と共有したという。
「ただ、トランプ氏は金氏との間で交わした書簡が行方不明になっていると主張。大統領関連資料の収集と整理を担う国立公文書館が昨年5月、トランプ氏の弁護士らに向けて警告を発し、その後、司法省がトランプ氏の機密文書持ち出しについて調査に着手。フロリダ州の自宅への捜索に踏み切る大騒動に発展しています。そういう意味でも、今回発売されるトランプ氏の肉声は、機密文書持ち出しを裏付ける大きな証拠となる可能性もあり、司法当局も大きな関心を寄せているようです」(同)
なお同ブックには、トランプ氏が米国の核兵器能力に触れ、ロシアのプーチン大統領、中国の習近平国家主席について言及している部分もあり、ウッドワード氏も「内容を立証することは不可能だが、不用意かつ危険なやり方で機密情報を扱っていることを再確認した」と記している。
相変わらずのお騒がせトランプ氏だが、11月19日の米中間選挙を前に、共和党内に激震が走っていることは間違いないだろう。
(灯倫太郎)