香川照之に聞かせたい「中村勘三郎伝説」(1)重大トラブルを数々“火消し”

 肌着を剥ぎ取り、胸をモミモミ─。銀座ホステスへの性加害で〝芸能界追放〟の危機に瀕している香川照之だが、今、梨園関係者の間で「ああ、彼がいてくれれば‥‥」という嘆きの声が続出している。その彼とは、稀代の歌舞伎役者で12年に他界した十八代目・中村勘三郎である。

 香川照之(56)の降板劇が止まらない。売れっ子俳優が一瞬で地に堕ちたコトの発端は、8月24日に発売された「週刊新潮」による性加害報道だった。

「19年、接客中の銀座ホステスのアンダーウエアを剥ぎ取り、バストをもてあそぶなど、愚行の一部始終が報じられました。さらに翌週、続報として『半沢直樹』(TBS系)の当たり役・大和田暁を地で行く悪人顔で、クラブのママの髪の毛をわしづかみにする写真も掲載された」(芸能記者)

 第一報後はレギュラー出演中だった「THE TIME,」(TBS系)で事実を認めて生謝罪。おとがめなしをにおわせていたが、写真が公になると状況が一変。同番組をはじめ、10月スタートのドラマ「日曜劇場『アトムの童』」(TBS系)も降板。出演していたトヨタ自動車など7社のうち6社のCMも終了となった。

「現在出演しているのはドラマ『六本木クラス』(テレビ朝日系)だけ。ただ、DVD化は絶望的でしょうね」(芸能記者)

 もはや〝芸能界追放〟の様相を呈する中、梨園関係者から続々とこんな声が聞こえてくる。

「ああ、勘三郎さんがいてくれればなあ〜」

 勘三郎とは、12年に逝去した十八代目・中村勘三郎(享年57)のことである。梨園関係者が明かす。

「実はこれまで歌舞伎界隈で起きたトラブルは、勘三郎さんがかなり火消し役を担っていたんです。各界に顔が利く類まれな人脈や、ご本人の愛され力のたまものです。彼の影響力が再認識されたのは、今年11月に行われる市川海老蔵(44)の『十三代目市川團十郎白猿襲名披露公演』を巡って騒動が起きた時でした」

 大名跡にもかかわらず、主要な歌舞伎一門が相次いで海老蔵との共演に難色を示していたのだ。

「この問題を唯一丸く収められるのが『成田屋』とも親しい勘三郎さんだというのが衆目の一致したところ。もともと名跡同士はライバルも同然で、仲が悪いケースも多いけど、先代の團十郎さんと勘三郎さんは晩年まで酒を飲み交わす仲でした。海老蔵もたびたび晩酌につきあわされたこともあり、頭が上がらない存在。今や梨園の〝ジャイアン化〟している海老蔵に鈴をつけられるのは勘三郎さんしかいない、と皆が嘆いていました」(梨園関係者)

 海老蔵は7月に行われた「七月大歌舞伎」の会見で「(昔)勘三郎さんからいちばん大事なのは『男の絞りきった汁なんだ』と言われた。それを出せるように頑張りたい」と語っていた。その約束どおり、襲名披露公演でも男の汁を出し切るはずだ。

*香川照之に聞かせたい「中村勘三郎伝説」(2)に続く

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