毎回のように炎上するメインキャスターもいれば、たった1度のやらかしが致命傷となった有名人もいた。
2022年に大炎上したワースト第3位は、情報番組「めざまし8」(フジテレビ系)のメインキャスターを務める俳優の谷原章介だ。連日のように問題発言が飛び出し、炎上は「お約束」となった感すらある。
2月17日の放送では、米国で起こった、あるアクシデントのVTRが流された。違反車両を監視中のパトカーに走行中の車から外れたタイヤが直撃したのだが、この映像を見て谷原はまさかの大爆笑。ツボにはまったようで、映像がリプレイされる度に笑っていた。下手をすれば命に関わる事故だっただけに「不謹慎だ」との声が殺到し炎上したのだった。
8月3日の放送では、軽自動車ドライバーをバカにしたかのような発言で炎上。物価上昇が庶民の生活を苦しめているとして谷原は、「車も普通の乗用車ではなく、軽自動車、安い小さい車を買わざるを得なくなった」と発言してしまったのだ。「金がなくて軽自動車を買っているのではない!」などと猛反発する声が上がったのは言うまでもない。
第2位は余計なひと言で謹慎処分を受けたテレビ朝日の玉川徹氏。レギュラーコメンテーターを務める情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」の9月28日の放送でのこと。安倍晋三元首相の国葬での菅義偉前首相の弔辞に「当然これ、(広告大手の)電通が入っていますからね」と発言したのだ。しかし、翌29日の放送で「この発言は事実ではありませんでした。電通は全く関わっていないということがわかりました」と事実誤認を認めて謝罪。「デマを流すな」「裏どりをしていなかったのか」などと炎上し、10日間の出勤停止となってしまった。
玉川氏は出勤停止後、10月19日の放送で久々に登場。スタジオではなく報道フロアから事実誤認発言について再度謝罪した。今後はレギュラーコメンテーターではなく、記者として現場で取材し、報道するというスタイルに変えることを報告。出演回数は週1回程度と激減したのだった。
さて、栄えある2022年の大炎上ワースト第1位は、ホステスの女性に対する性加害が報じられた俳優の香川照之だ。
2019年7月、東京・銀座の高級クラブでホステスのアンダーウエアを外すなどの行為していたことが明るみになった。人気絶頂時だっただけにその衝撃は大きく、ドラマ「半沢直樹」で香川が演じた大和田常務の名セリフ《おしまいDEATH!》と揶揄する声が殺到して大炎上。その後も、同クラブで当該ホステスとは別にママの髪を片手でつかんでいるような写真も報じられ、とどめを刺された。
香川は、レギュラー出演していた情報番組「THE TIME,」(TBS系)の降板をはじめ、トヨタ自動車など6社のCM契約も次々と打ち切られた。CMの違約金は1億円にも上ると見られ、大きな代償となった。クライアントは何よりも好感度を重視するため、今後CMに起用されることも考えにくい。同様にドラマもスポンサーが難色を示し、以前のような活躍は難しいだろう。
以上が2022年の大炎上ワースト10だが、「番外編」としてこんなケースもあった。
4月16日、早稲田大学社会人向け講座「デジタル時代のマーケティング総合講座」で、牛丼チェーン大手・吉野家の常務取締役企画本部長(当時)が、耳を疑うような発言を放った。「田舎から出てきた右も左もわからない若い女の子を無垢、生娘のうちに牛丼中毒にする。男に高い飯をおごってもらえるようになれば、絶対に(牛丼を)食べない」と説明し、これを「生娘をシャブ漬け戦略」と表現したのだ。
当然のごとく、《女性をバカにした発言》《吉野家に来る女性客は男性におごってもらえない人ということ?》などと大炎上。吉野家は不適切発言を謝罪し、発言した人物は役職を解任された。
「谷原の問題発言は年中行事ですが、今後も続けば電撃降板も十分あり得ます。玉川氏は辛口コメントでファンも多く、視聴率にも貢献していましたが、あの発言はあまりも軽率でした。そして、玉川氏以上に軽率だったのが香川。一度、性加害のレッテルが貼られるとイメージ回復は相当難しい。当分の間は市川中車として歌舞伎で頑張るしかありません。吉野家の『生娘をシャブ漬け戦略』発言は言語道断。自ら火を浴びに行ったと言っても過言ではありません」(芸能記者)
いったん公になってしまった発言や行動は取り消せない。有名人であればなおさらその言動に注意しなければ、2023年も炎上騒ぎは繰り返されるに違いないだろう。
(石田英明)