低迷の中日打線を救う?「新・兄弟選手」誕生の予感

 阪神との2連戦で全敗。とくに9月11日の初戦での敗戦が痛かった。シーズン25度目の完封負け。しかも、球団ワーストである。

「11日の敗戦で『優勝の可能性』が完全に消滅しました。6月11日に単独最下位に転落して以来、ずっとそのままなので大きな衝撃はありませんでしたが」(名古屋在住記者)

 中日打線の低迷は、今に始まったことではない。立浪和義監督は「何とかします!」と意気込みを語っていたが、チーム打率は2割4分6厘。昨季が2割3分7厘だから、「たいした違いはない」わけだ。

「立浪監督は勝負どころ、得点圏でヒットが出ないことを改善点に挙げていました」(前出・同)

 選手の精神面での弱さが原因のようだ。

 その影響だろう。ちょっと気の早い“待望論”も聞こえてきた。

 高校野球の秋季愛知県大会が10日に開幕した。中日が球団ワーストの25度目の完封負けを喫した11日、東邦高校が初戦を7回コールドで快勝した。注目は新キャプテンの石川昂瑛貴内野手(右投右打)。そう、同校OBでもある中日・石川昂弥の弟で、11日の人間環境大岡崎戦では「4番・一塁」で出場し、3打数2安打1四球と活躍した。

「お兄さん同様、長打力のあるスラッガーです。キャプテンシーがあり、夏の甲子園予選では代打出場し、クリーンヒットを放ちました」(アマチュア野球記者)

 練習熱心で、試合中も声を出してチームを牽引していくタイプだそうだ。もともとは「捕手」で入学したが、打撃力を買われて内野にコンバートされた。

「ビハインドの場面で『自分が打たなければ』の気持ちが強く表れるタイプです。3年生が卒部する夏の大会までは途中出場が多かったですが、代打を告げられると『決めてやる!』と意気揚々と打席に向かいます」(前出・同)

 立浪監督が求めているスピリットを秘めているのは間違いない。石川弟がドラフト対象となるのは、2023年。中日は地元出身の好選手は優先的に指名する。打線低迷が解消されるのは、堂上以来の兄弟選手が誕生するときか? 

(スポーツライター・飯山満)

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