8月12~15日に開催された阿波踊りに参加した踊り子ら660人が新型コロナウイルスに感染していたことが25日までに分かった。徳島市の内藤佐和子市長は、徳島県で感染が拡大しているのは「阿波踊りが主要因とは言いがたい」と説明しているが、これに疑問の声が相次いでいる。
「徳島県では24日にコロナ感染者が初めて3000人を突破しました。阿波踊りの開催前の最多が1400人台でしたから、倍以上に急増しているのです。なお、県阿波踊り協会と阿波おどり振興協会の2団体が把握する加盟連の踊り子や鳴り物奏者の感染者は660人で、まだ報告のない連もあるといいます。また、観客の感染については把握できないことから、阿波踊りに関連してコロナに感染した人はさらに多いと見られています」(社会部記者)
しかし、26日の会見で内藤市長は阿波踊りとお盆の期間が重なっていたことから、「県内外から大勢の人が来訪しており、大きなイベントが開かれていない他県でも感染者は増えている」と説明。阿波踊りが徳島県内で感染が拡大している「要因の一つかもしれないが主要因とは言いがたい」と述べた。また市長は「開催判断については正しかったと思いますし、私は今回の阿波おどりはやって良かったというふうに考えています」とも語っている。
「ただ、これにネット上では《どう考えても主要因でしょ。それすら認めないとか、どんな思考してんの?》《感染拡大の時期を見れば、阿波踊りが感染拡大の引き金になったのは明らかでは。対策は万全だったのかというと、甘かったとしか思えない》など市長の考えを否定する声が相次いでいます。26日時点で徳島県内の病床使用率は61.6%と医療現場がひっ迫しつつありますが、人々の目には、なんとか責任から逃れようとしているように映ったのかもしれません」(前出・社会部記者)
いずれにせよ、阿波踊りが主要因でないとすれば、何が原因として考えられるのか。しっかりと分析して公表して欲しいものだ。
(小林洋三)