Netflixの無料ゲーム「利用率1%未満」爆死状態の原因とは

 動画配信サービス大手のNetflixが、解約防止のために昨年11月から契約者に無料でサービス提供しているモバイルゲームの利用率が1%にも満たないことが明らかとなった。

「アメリカのモバイルデータ調査企業Apptopiaが入手した情報によると、Netflixのゲーム配信サービスを利用しているのは1日あたり平均170万人だったといいます。決して少なくない数字にも思えますが、Netflixの契約者は世界に約2億2000万人いますからね。広告や追加料金、アプリ内課金も一切なくゲームを楽しめるにもかかわらず、契約者の1%も遊んでいないというのはさすがに少なすぎます」(ゲームライター)

 Netflixは2018年第4四半期の決算発表会で「我々が戦っているのは『HBO』(ケーブルテレビ)ではなく、『フォートナイト』(オンラインゲーム)であり、そして負けている」とゲームに対する強い意識を持っていることを明らかにすると、21年7月にゲーム事業に参入することを表明した。その後、「Night School Studio」や「Next Games」「Boss Fight Entertainment」などゲーム企業を次々と買収するなどゲーム事業に本腰を入れてサービスの柱のひとつにして会員基盤を強化する予定だったが…。

「あまりも少ない利用率にネット上では、《Netflixにゲームを求めている人がいるか不思議だったけど、やっぱ全然遊ばれてないんだ》《ヘビーゲーマーはまずNetflixでゲームなんてしないし、ライトゲーマーはわざわざお金払ってNetflixに加入しない》など“さもありなん”といった論調が多く、《あれだけフォートナイトがライバルと豪語しといてこの数字?》と揶揄する声も見られました。サービス提供前からNetflixのゲーム事業の成功はかなり難しいと思われていましたが、想像以上に厳しい数字となりました。ただ、同社のグレッグ・ピーターズCOOはゲーム事業の黒字化には時間がかかることを示唆しており、長期的に取り組んでいくとしています」(同)

 年内にはオリジナル作品を題材にした「Queen’s Gambit Chess」など50タイトルのゲームをを追加するというが、利用率1%未満からの逆襲はあるのだろうか?

(小林洋三)

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