将官がバタバタ戦死…ロシア軍「東部要衝制圧」で戦争はいつ終わる?

 ウクライナ情勢が長期化の様相を呈してきたようだ。

 ロシア軍がウクライナ東部ルハンシク州の完全掌握を目指す中、ロシア国防省は19日、ウクライナ側州内の拠点であるセベロドネツクについて、郊外集落を掌握したと発表。さらに包囲を広げるため攻勢を強めている。

 一方、米シンクタンク「戦争研究所」によれば、「セベロドネツク市内の支配に向けた作戦で、ロシア軍はほとんど成果をあげられなかった。ロシア軍が前進するには歩兵部隊などの戦力が不十分だ」と指摘、セベロドネツクをめぐり一進一退の攻防が続いているとの分析を発表するなど、現在もさまざまな情報が交錯している状況だ。

 ただ、NATOのストルテンベルグ事務総長は19日、インタビューで「われわれはそれが数年にわたるかもしれないという事実に備えなければならない」と語り、たとえロシアが東部を完全掌握したとしても、戦争の長期化は否めないと示唆。「しかし軍事支援、それにエネルギーと食料の価格の高騰でコストが高くなったとしても、我々はウクライナへの支援を緩めてはならない」として支援継続を訴えた。

 現状、ロシア軍による東部掌握で、ウクライナ側の苦戦が伝えられる中でも、武器の枯渇や、士気低下が指摘されるロシア軍だが、

「ウクライナ側の発表によれば、これまでに12人のロシア軍将官の戦死が伝えられています。彼らはいわば前線の指揮官であり、これはすなわちウクライナ側に完全に動きを掴まれているということ。これが、ロシア軍の負のサイクルを拡大させる要因になっていると言われています」(ロシア情勢に詳しいジャーナリスト)

 さらに、志願兵の年齢制限を取り払ったものの、軍が期待していたほどの応募者は期待できていないようで、

「このまま戦争を継続していくためには、若者を根こそぎ招集しなければなりません。ただそれをやれば、国民の批判に晒されることは必至。というのも、いまも大多数のロシア国民にとって、この戦争は一部地域で起こってることで、正直、自分事ではありません。だから『正義の戦いをやっている』という高揚感はあっても、自分たちの家族に被害が及ぶことは考えていない。それが、いまだにプーチンが国民の約8割から支持される理由でもあるのです」(同)

 だが戦争が長引き、大規模動員となれば、当然そのロジックは崩れることになる。

「今回の戦争で大規模な動員がかかっているのは、イルクーツクやブリヤートなど、いわば地方都市で、まだモスクワなどでの大都会では、それが行われていません。仮に東部をすべて掌握し、続いて南部に攻め入るとなれば、さらに兵士動員が必要になり、あるいはモスクワをはじめ大都市からもという可能性も出てくるでしょう。つまりその時が、この戦争の行方を左右する大きなポイントになる、ということです」(同)

 NATOの支援により、戦力を盛り返しつつあるウクライナ軍に対し、現状、在庫を消費するしかないロシア軍。果てのない戦いに、終わりは見えてきたか——。

(灯倫太郎)

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