小学校での“あだ名呼び禁止”拡大に「教師の負担が大きすぎる」違和感の声

 いじめ防止を目的に生徒の「あだ名呼び」を禁止する小学校が増えている。

 あだ名は人と違う身体的特徴や行動を揶揄するものが多いことから「さん付け」で呼ぶよう指導する学校もあるというが、ネット上では《教師の負担が大きすぎる》と心配する声も少なくない。

「大津市中2いじめ自死事件を契機に2013年に『いじめ防止対策推進法』が施行されると、いじめを防止することが学校の責務となり、それがきっかけとなって全国の小学校にあだ名禁止が広まっていきました。あだ名は相手を嫌な気分にさせることがあることから、あだ名禁止を校則にしているところもあるといいます」(社会部記者)

 しかし、生徒同士の呼び方にまで学校が介入するべきなのかという疑問の声も多く、ネット上では《親は学校に責任を求め過ぎでは? あだ名を禁止することでいじめがなくなるとは思えない》《友達をバカにしたあだ名で呼んではいけませんよって教えるのは親の仕事。教師が管理すべきことじゃないし、ましてや教師に責任を求めるところでもない》《いじめの問題を学校側、教師の責任としている風潮がこの違和感のある教育方針に繋がっていると感じます》《これは過剰な校則だと思うし、ここまで学校にやらせる必要はまったくない》といった意見が見られた。

「確かに、相手を揶揄するあだ名は呼ばれた人を不快にさせますが、その一方で親しみを込めたあだ名は信頼関係を作り、円滑なコミュニケーションがとれるツールにもなります。ですから、あだ名を禁止するという行為は非常に雑ないじめ対策とも言えますし、実際にいじめ防止につながるかどうかもはっきりしない校則を徹底させるというのは教師の負担になることは間違いありません。保護者からやってほしいという希望があるから採り入れる小学校も多いのでしょうが、それは本来親が教育するべきものであるような気がしてしまいますよね」(教育ジャーナリスト)

 果たしてあだ名禁止はいじめ防止にどれだけの効果を挙げているのだろうか…。

(小林洋三)

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