全国の小中学校に配布されている学習端末を使ったいじめが、全国の主要109自治体のうち少なくとも25自治体で47件あったと「読売新聞」が報じたが、ネット上では《いじめを学習端末のせいにするな》といった声も寄せられている。
「同紙の調査によれば、学習端末を使って文書共有ソフトを担任に見られない設定にして生徒の悪口を書き込んだり、カメラで撮影した生徒の顔画像にいたずら書きをしたり、体育の授業で嫌がる女子生徒を撮影するなどのいじめがあったといいます。なお、47件のいじめが発覚した今回の調査は自治体を対象におこなわれたもので、学習端末を使ったいじめは実際にはもっと多いとみられています」(社会部記者)
GIGAスクール構想によって今年3月には全国の小中学校の97.6%にタブレットなどの学習端末が配布され、9割の学校で校内通信ネットワークにも接続さているというが、この端末がいじめに使われていることにネット上では、《これ、学習端末のせいでいじめが増えたと考える人もいるかもしれないけど、それは違うと思う》《学習端末でいじめが発生したというより、もともとあったいじめを学習端末でもするようになったってことでしょ》《いじめを学習端末のせいにしてGIGAスクール構想が遅れるのはむしろ危険だと思う》など、いじめと学習端末は別に考えるべきという意見が続出している。
「指摘される通りで、学習端末はいじめを助長するものではありませんから、そこを見誤ってはいけないと思います。学校でのいじめは証拠が残りにくいとされていますが、学習端末を利用したいじめではログに残る可能性が高いですし、しっかりと分析すればいじめの痕跡を見つけやすいというメリットもあります。学習端末に教員のスキルが追いついていないという課題もありますが、国を挙げて取り組んでいけばいじめを減らすチャンスにもなるのではないでしょうか」(ITジャーナリスト)
むしろ、学習端末がいじめから生徒を守ってくれるかもしれない。
(小林洋三)