カツオが異例豊漁で“投げ売り状態”のウラで乱獲を危惧する声

 5月の千葉県勝浦漁港と銚子漁港のカツオ水揚げ量が、4月のおよそ35倍と驚異的に増加していることが明らかとなった。世界的な原材料費や燃料費の高騰によって食品値上げが相次いでいることから、カツオの豊漁による値下がりが期待されるが、ネット上では《獲りすぎないで!》といった声も少なくない。

「漁業情報サービスセンターによれば今年のカツオは不漁が続き、主な水揚げ漁港である勝浦と銚子では4月にわずか110トンしか水揚げされなかったそうですが、5月に入ると一変し、3900トンとおよそ35倍になったというのです。サイズ的にも問題はなく、例年より脂の乗りもいいそうですが、豊漁の影響で取引価格は4月からおよそ半額程度にまで下がっており、家庭にも比較的安いお値段で届くのではないでしょうか」(社会部記者)

 海水温の影響で夏頃まではカツオの豊漁とみられているが、ネット上では《獲りすぎてまた来年からは不漁なんてことにならないようにしていただきたい》《計画的に漁をしてほしい。今まで乱獲でどれだけ魚が減ったことか…》《近所のスーパーではカツオのタタキが投げ売り状態になってた。そんなに安くなくてもいいから安定的にカツオが食べられるように考えてほしい》といった意見も寄せられている。

「ここ最近の日本では、クロマグロやサンマ、サケ、イカ、サクラエビが乱獲などの影響により毎年のように不漁に陥っています。カツオも2010年にはおよそ30万トンあった漁獲量も20年には約16万トンと右肩下がりですから、計画的に漁をしてほしいというのはまさにその通りだと思います。乱獲によって一時は絶滅まで危惧されたニシンが復活した例もありますし、この豊漁をいい機会にして欲しいものですが…」(同)

 豊漁で結局は廃棄なんてことだけには、ならないようにしていただきたい。

(小林洋三)

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