立ち食いそばチェーン「名代 富士そば」を展開するダイタンホールディングスは、6月1日より一部商品を値上げすると発表した。今年1月5日にも価格改定を実施しているため、約5カ月での再値上げとなり、ネット上では《もう気軽に利用できない》と悲鳴も飛び交っている。
同社によれば、原油・食材の継続的な価格の高騰の影響により再値上げを決めたといい、一律ではなく値上げしない商品もあるという。ただ、基本的にそば(うどん)1玉あたり20円、ラーメン10円、天ぷら類・トッピング類は10円の値上げ。かけそばについては1月5日に310円から340円へ値上げしているため今回の値上げで360円となり、この半年間で50円値上げされたことになる。
「この値上げにネット上では、《牛丼もそうだが、立ち食いそばも気軽には利用できなくなった。かけそば360円はさすがに高すぎる》といった声も見られます。立ち食いそば店は基本的に薄利多売でビジネス街や駅前などに出店していますが、コロナ禍によりテレワークが推奨されたことで大打撃を受け、『富士そば』も複数店舗が閉店。そんな中で原油や食材などの高騰が収まらない状況が続いており、値上げは致し方ないところだと思います」(経営コンサルタント)
ただ、5カ月で2度の値上げは印象的に良くないことも事実だろう。
「特に富士そばは2020年に残業代の未払い問題が発覚し、さらにはグループ会社が雇用調整助成金を不正受給していたことも明らかとなり、ブラック企業疑惑も取り沙汰されていました。値上げするにしても、その理由に原油・食材の継続的な価格の高騰の影響だけではなく、従業員の給与増も加えておけば印象はまた違ったかもしれません」(前出・経営コンサルタント)
立ち食いそばは「安い・早い・うまい」が売りなだけに厳しい値上げとなりそうだ。
(小林洋三)