球審詰め寄り事件の余波!「佐々木朗希はジャッジしにくい」の声

 佐々木朗希に球審が詰め寄った“事件”について、NPBが検証結果を伝えたのは、4月26日だった。井原敦事務局長が口にした「今回の場合は別の方法があった」の言葉には、これからの怪物の投球に関する“恐怖”も秘められていたようだ。

「NPBとして、当該審判員である白井一行氏にも配慮した物言いでした。『別の方法があった』というのは、詰め寄り行為は不適切だったと認めたわけですが、白井氏は1500試合以上をジャッジしてきた優秀な審判員でもあります」(ベテラン記者)

 同時に、佐々木はジャッジしにくい投手ということも認識されたようだ。直球が速すぎるせいもある。完全試合を達成した4月10日はフォークボールも150キロ近い球速が出ていた。しかし、それだけが理由ではないという。

「3球勝負を仕掛けてきます。実際に対戦した選手も驚いたと思いますし、球審も不意をつかれたのでは」(関係者)

 一般論として、投手が「0ボール2ストライク」に追い込んだ場合、ウィニングショットを投じる前に、1、2球のボール球を散りばめる。そのため、2ストライク後はボール球が来るというイメージも浸透しているが、佐々木の場合は違う。3球勝負に出るケースが多い。

「佐々木は100球を目安に降板させられることが多いので、投球数を少なくするため、3球勝負に出るんです」(同前)

 佐々木が白井一行審判員に詰め寄られた4月24日、「際どいコースのほとんどがボールと判定されていた」との声もある。とはいえ、白井氏は「2ストライク後はボール」という先入観など持たずにジャッジしたはずだ。
 
 ただ、白井氏が再びホームベース後方に戻ろうとした際、NPB審判団のサブクルーチーフで、二塁塁審を務めていた嶋田哲也審判員に呼び止められている。呼び止めたということは、嶋田氏も詰め寄り行為に違和感を持っていたのだろう。
 
「ロッテ側はこの件を蒸し返すつもりはないようです」(ベテラン記者)

 これからも、佐々木は3球勝負を仕掛けてくるだろう。体力をつけ、100球目処での降板の状況を変えない限り、事態は収拾されないようだ。

(スポーツライター・飯山満)

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