「異母姉」説も! 金正恩に付き添う「謎の女性」は金与正より格上だった?

 北朝鮮が日本海に向けて2発の飛翔体を発射したのは16日のこと。翌日の労働新聞は、これを「新型戦術誘導兵器の発射実験が成功した」と報道。戦術核運用の効率と火力任務の多角化を強化する上で、大きな意義を持つとアピールした。

 そんな中、飛翔体発射実験もさることながら今、韓国メディア最大の関心が、ここ最近、式典などで金正恩総書記に同行、秘書の役割を担う“謎の女性”の存在だという。

「初めてその女性の姿が公の場で確認されたのは、2月26日の初級党書記大会。その後、徐々に公式行事でも見かけられ、4月13日には、金正恩氏が北朝鮮の名物アナウンサー李春姫さんに高級住宅をプレゼントした際、テープカットする総書記の後方に女性の姿がありました。また、15日に行われた『金日成生誕110周年(太陽節)』の記念式典では、朝鮮労働党幹部とともに正恩氏の間近にいる姿が、朝鮮中央テレビで確認できます。女性は一見40代で、いつも黒か紺の地味なツーピース姿。ただ、これまで金正恩氏の側で業務をサポートするのは、妹の金与正氏とモランボン楽団の元歌手・玄松月氏の2人に限られていましたからね。韓国メディアでは、『謎の女性』をめぐり、その正体は誰なのか、連日クローズアップされています」(韓国在住のジャーナリスト)

 関心を引く最大の理由は、この女性の左胸に「金日成・金正日バッジ(肖像徽章)」が確認できないことだという。

「北朝鮮では公の場に出る際、胸に肖像徽章をつけることが国民の義務とされています。そのため、妹の金与正氏でさえも行事などでは必ず徽章をつけ、着用しなくても良いのは金正恩氏と夫人の李雪主氏だけと言われています。ところが、この女性は高級住宅街の竣工式の際、なんと肖像徽章の代わりに花の形のブローチをつけていた。つまり、この女性が金与正氏よりも党の序列が格上なのではないかと、韓国情報当局があらゆるルートで女性の身元確認を急いでいるものの、今もって特定できていないことも謎を深める要因になっています」(同)

 韓国メディアの中には、この女性は金正恩総書記の異母姉に当たる「金雪松氏ではないか」とする報道もあるが、

「故金正日総書記はマレーシアで殺害された長男・金正男の実母、元女優の成恵琳と別居後、1973年に党宣伝部でタイピストをしていた金英淑という名の13歳年下の女性と結婚。翌74年12月に生まれたのが雪松氏とされています。なので、彼女が金雪松氏であれば、年齢的には該当します。ただし、雪松氏に関する公式報道、情報は皆無で、フランスに留学経験があり、ロシア語や中国語など5ヵ国語が自在に話せる、あるいはIT分野に詳しいと言われるものの、すべてが未確認情報。とはいえ女性の待遇を見る限り、金ファミリーである『白頭血統』の可能性は高く、また彼女を頻繁に表舞台に登場させていることにも、北朝鮮の何かしらの意図が感じられます。いずれにせよ、今後も表に出る機会が増えるでしょうから、注意深く見極めていく必要があるでしょう」(同)

「第3の女性」の台頭が、政治的要因とどう関わってくるのか、その動向が注目されている。

(灯倫太郎)

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