アストラゼネカ製ワクチン「2000万回分廃棄」の可能性も「打つよりマシ」のワケ

 4月11日、政府は新型コロナウイルス対策として英アストラゼネカから購入契約を結んでいたワクチンのうち、違約金については伏せたものの、約4000万回分をキャンセルしていたことを明らかにした。このワクチンについては、納品された約2000万回分について有効期限が切れて廃棄される可能性も浮上しているが、ネット上では《打たれるよりマシ》といった声も見られた。

「アストラゼネカとは2020年8月に1億2000万回分のワクチンの供給を受けることで合意しましたが、その後イギリスなどでこのワクチンを接種した人の中から血小板の減少を伴う血栓症を発症した例が報告され、死者も出ていることから、日本国内での使用は40歳以上に限られ、政府から自治体に供給されたのも約20万回分にとどまっていました」(社会部記者)

 宙ぶらりんとなっていたアストラゼネカ製ワクチンについて、厚生労働省の佐原康之健康局長が11日、衆院決算行政監視委員会で4000万回分に関してはキャンセルしていることを明らかにし、残り8000万回分のうち6000万回分は国際貢献として東アジアを中心とした海外に提供していることも分かっている。しかし、およそ2000万回分については使い道が明らかにされておらず、すでに廃棄された可能性もある。

「これにネット上では批判が殺到しているかと思いきや、《無理矢理、在庫処分で打たれるよりは、廃棄したらいいのでは?》《契約した時点では血栓の可能性も分からなかったわけだし、キャンセルするのも廃棄するのも仕方ないと思う》と理解を示す声が多く見られた。現在、国内でのワクチン3回目の接種は4月10日時点で45.44%と進んでいません。特に20代と30代は20%台と低く、政府は若者への接種を促すために3回目の接種を受けた人を対象に『イベントワクワク割』の実施を明らかにしていますが、これに《ワクチンの在庫処分だ》との批判もあがっているため、むしろアストラゼネカ製については廃棄されたことを適切と見る人も多かったのかもしれません」(政治ジャーナリスト)

 ワクチンには有効期限もあることから、期限が切れたものに関しては廃棄されて当然だろう。

(小林洋三)

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