パラリンピック“中止議論なし”に噴出する怒りと疑問の声

 8月16日、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長、丸川珠代五輪相、小池百合子東京都知事、国際パラリンピック委員会のアンドリュー・パーソンズ会長による4者協議が行われた。そこではパラリンピックを無観客で開催することが決定したが、中止による議論はまったくなかったといい、これにネット上では怒りの声が相次いでいる。

「協議終了後の会見で橋本会長は、オリパラが『感染拡大が続いていく中において、無関係とはまったく思っていない』との認識を示したものの、それでもパラリンピックの『中止の議論はされなかった』とし、『(オリンピックでの人流の拡大はまだ検証されていない中ではあるが)パラリンピックを開催させていただき、そして万全の感染対策をしていく』と、新型コロナウイルスの感染が急増する状況下でも中止の選択肢はまったくないことを強調したのです」(社会部記者)

 これにネット上では、《やる気満々の4者が協議しても中止の議論はしないだろう。議論する必要は絶対的にあると思う》《大会開催は感染拡大に無関係ではなく、オリンピックの検証もまだ終わってない。でも、パラリンピックは中止の議論すらしないって理解できない》《感染拡大させる可能性は十分にありますが、それでもパラリンピックはやりますって言ってるようなもの》など厳しい意見が飛び交っている。

「協議後の会見では、大会組織委の武藤敏郎事務総長がパラリンピック関係者のワクチン接種率について、『把握していないと聞いている』と発言。しかし翌日には高谷正哲スポークスマンが慌てて伝達ミスだったことを説明し、『IPC(国際パラリンピック委員会)から伝えられたところによると選手村に居住するアスリート、チームオフィシャルの88%がワクチンを接種して来日する』と明かしています。そうした事実を周知徹底できていない状態の一方、大会中止については議論しない姿勢に矛盾を感じる人も少なくないのでは。丸川五輪相は会見で大会開催にあたり『国民の皆様の理解を得ることが不可欠』としていましたが、とても理解を求めているようには見えませんよ」(ITジャーナリスト)

 オリンピックもパラリンピックも、“開催ありき”は変わらないようだ。

(小林洋三)

ライフ