佐藤治彦「儲かるマネー駆け込み寺」5万円前後の投資で魅力的な「株主優待」銘柄4選!

 日本テレビの「月曜から夜ふかし」というバラエティー番組でブレイクした、桐谷広人さんをご存知だろうか? 

 この桐谷さんは高齢のプロの将棋棋士だが、その投資生活をおもしろおかしく取り上げられて大人気。送られてくる「株主優待」を使い切るために、ママチャリで東京中を疾走している姿をたびたび紹介している。

 株主優待とは、配当金とは別に株主に送られてくるもの。その中には、ちょっとした投資でなかなか魅力的なものがある。

 家電販売のコジマ(7513=証券コード)は5月29日現在、100株5万5000円弱で投資ができる。配当金は1株につき14円ほどの予定で、100株なら1400円。そして株主優待はコジマや関連会社のビックカメラ、また、そのネット通販で使える1000円の株主優待券、つまり、お買い物券だ。

 この買い物券は1年以上保有していると、さらに1000円、2年以上で2000円分の追加進呈がある。仮に100株持っていれば、3年目から3000円の買い物券が手に入るため、100株の投資で配当金と合わせて年に4400円得することとなる。

 NISAの枠で買えば配当金に税金もかからない。ビックカメラは、食品や日用品も取り扱っているため使うのに困ることはない。

 こりゃいい! それなら100株と言わず200株、300株と欲しい、と思う人もいるだろう。

 しかし、配当金は持株数によって比例していくが、株主優待は注意が必要だ。

 例えばコジマは、3000円のお買物券をもらうためには500株を所有しなければいけない。なので今のままの条件なら、私は100株以上、所有するつもりはない。

 そして配当金や株主優待は「権利落ち」と言われる決められた日に株式を所有していた人に送られる。コジマの場合は8月末。細かい説明は省くが、この数日前には株式の購入ができていないといけない。

 家電販売店といえば、ヤマダ電機のヤマダホールディングス(9831)も見逃せない。こちらは100株で4万2000円弱ほど。こちらもヤマダ電機で使えるお買い物優待券がもらえ、3月末に100株の所有者に500円、9月末に500円券2枚と、1年間で1500円分。もし500株以上なら、3月末に2000円、9月末に3000円分となる(1000円の買い物に対して、500円券を1枚使える)。

 権利落ちの日は3月末と9月末の年2回。配当金は1株につき18円と予想され、100株で1800円だ。つまりこちらは、4万2000円弱の投資で3300円のお得となる。

 紳士服のはるやまのはるやまホールディングス(7416)は、100株で4万8000円ほど。配当金は100株で1550円と予想されている。そして株主優待がおもしろい。まずは15%の割引券がもらえるのだが、それに加えて税込6600円までのワイシャツかネクタイ、女性にはブラウスが1点もらえる贈呈券もついてくる。ワイシャツなどは消耗品だから重宝する人もいるはずで、こちらの権利落ちは3月だ。

 コンタクトレンズのシード(7743)は100株で5万7000円ほど。配当金は100株で1200円ほどになり、株主優待が充実している。全国の対象店舗でメガネやコンタクトレンズが特別価格で買える優待買物割引券、もしくは1万円相当のコンタクトレンズのケア用品セット、もしくは3000円相当の優待ポイントでスイーツや精肉などから好きなものが選べる。これらが毎年手に入り、権利落ちは3月だ。

 株式なので投資した株価は上がることもあるし、下がることもある。配当金や株主優待も増やされることも廃止されることもあるのだが、5万円前後の投資で生活に役立つ株主優待があることは、知っておいて損はないだろう。

佐藤治彦(さとう・はるひこ)経済評論家。テレビやラジオでコメンテーターとしても活躍中。著書「素人はボロ儲けを狙うのはおやめなさい 安心・安全・確実な投資の教科書」(扶桑社)ほか多数。

マネー