ロシアへの高級車輸出禁止、政府の追加制裁に「中途半端」批判続出の理由

 ウクライナ侵攻を続けるロシアに対し、政府は追加の経済制裁として600万円以上の高級車などのぜいたく品の輸出を5日から原則禁止としたが、これには「あまりに中途半端な制裁だ」といった批判的な声も少なくない。

「新たな制裁はプーチン大統領を資金面で援助する『オリガルヒ』と呼ばれる新興財閥への圧力を強め、政権から離反させることを目的としています。高級車の他にもバイクやグランドピアノ、宝飾品、美術品など19品目のぜいたく品が対象となっています。これまでに輸出が規制されたものと合わせると合計で約310品目がロシアへ原則輸出禁止となりました」(社会部記者)

 対露制裁を強める欧米に日本も歩調を合わせる形となったが、ネット上では《何で高級車だけ?車全体を輸出禁止にした方がよっぽどロシアにとってはダメージだと思うが》《むしろぜいたく品を買わせて外貨を使わせた方が消耗させられる気がするが…》《う~ん、ぜいたく品ってそれほど影響があるように思えないし、日本経済にダメージがない程度で制裁やってますアピールをしているだけにしか見えない》《パフォーマンスの域を出ないあまりに中途半端な制裁だ》と厳しい意見が相次いでいた。

「高級車を輸出禁止にすることで得られる効果は正直微妙だと思います。実はロシアでは日本車が大人気で、大通りに出れば多くの日本車を見ることができます。しかし、そのほとんどが型の古い中古車なのです。クラウンやマークⅡなんかが人気で、たまにレクサスなど高級車を見かけることもありますが、それは本当に稀なことです。経済制裁をするのであれば高級車よりも中古車の輸出を制限した方が効果があるかもしれませんね」(ロシアのクルマ事情に詳しいライター)

 今回はオリガルヒに向けたものということだが、状況次第では今後さらなる追加制裁もあるのかもしれない。

(小林洋三)

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