「DAZN」サッカー日本代表“W杯出場”決定戦が過去最高視聴者数への「賛否」

 インターネット動画配信「DAZN」は、日本代表がワールドカップ(W杯)カタール大会への出場を決めたアジア最終予選のオーストラリア戦でライブ視聴者数が過去最高を記録したことを明らかにした。ただ、この一戦はDAZNの独占配信となっていたため契約者以外は歓喜の瞬間を視聴できなかったことに批判の声もあがっている。

「DAZNは2028年までアジアサッカー連盟と放映権を契約を結んでおり、日本代表はアジア最終予選のアウェー戦がDAZNの独占配信となっています。しかし、オーストラリア代表戦は日本代表のW杯出場がかかった大一番となったため、日本サッカー協会の田嶋幸三会長が地上波での放映やDAZNの無料配信に向けて交渉していくことを明かしていましたが、DAZN側が『ご加入いただいているお客様やファンの皆様にとってフェアなものではない』と拒否。日本がW杯出場を決めた瞬間が、史上初めて地上波で放送されないという事態になってしまったのです」(サッカージャーナリスト)

 これにネット上では、《W杯出場を決めた試合が有料サイトでしか観られないなんて、そりゃサッカー人気も落ちるわけだ》《昔、W杯出場を決める試合を学校の体育館に集まってみんなで観たけど、DAZN独占だとそれも難しくなるのかもね》など批判的な意見が多く寄せられていたが、中には《DAZNのおかげで会社が終わったあとのリアルタイムじゃない状況でもゆっくり試合が観られた。DAZNは企業だから利益を追求するのは当然で、お金を出して放映権を買っているわけだから独占放送に文句を言われる筋合いはないだろう》と擁護する声も見られる。

「DAZNは今年2月22日から月額料金を1925円から3000円へ大幅に値上げしたため、運命の一戦を視聴できなかったという方も少なくないかもしれませんね。放映権料の支払いは国内のテレビ局より世界的なインターネット動画配信サービスの方が遥かに有利なので、今後はこうした独占配信が増えていく流れになるのは間違いないと思います。カタールで開催されるW杯本大会は初戦をNHKが、第2戦をテレビ朝日が、第3戦をフジテレビが放送することが決まっていますが、もしかしたら今回のW杯が地上波で放送される最後の大会なんてことになる可能性もあると思います」(前出・サッカージャーナリスト)

 有料サイトでなければプロスポーツを観られない時代がやってくるかもしれない。

(小林洋三)

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