もう中学生だけじゃない! 有吉弘行が救ったゴミ芸人

「2021年ブレイク芸人ランキング」(ORICON NEWS調べ)で首位に立った「もう中」こと、もう中学生。昨年は「有吉の壁」(日本テレビ系)や「マツコ&有吉 かりそめ天国」(テレビ朝日系)ほか多くの人気番組に出演し、10月期には冠番組「もう中学生のおグッズ!」(テレ朝系)がスタートして絶好調。ところが、今年1月に“文春砲”を食らい、段ボールを中心とした小道具の多くを後輩のツクロークンが制作していたことが暴かれた。

 もう中は、09年に「爆笑レッドカーペット」(フジテレビ系)や「エンタの神様」(日テレ系)といったショートネタ番組で人気に火が着いた。しかし、ブームの衰退とともに仕事も減少。おととしのコロナ禍で仕事がゼロになると、東京・ルミネtheよしもとで無観客ライブ、視聴者数が100人にも満たないインスタライブを細々と続けていた。それをひそかにチェックしていたのが、有吉弘行。有吉のラジオ、テレビにゲストで招かれたことで再ブレイクした。

 影響力の強い有吉は、ほかの後輩芸人も成功に導いている。同じ太田プロダクションのコンビ芸人・マシンガンズの滝沢秀一だ。幾多のチャンスを逃し続けて、芸人キャリア20年超え。妻子を養うためにはじめたゴミ清掃員の実態を18年にエッセイ「このゴミは収集できません」で出版すると、10万部を超える大ヒット。二足のワラジをはきだしたころ、アドバイスをくれたのが有吉だった。

「『メシ行くぞ』と誘った寿司屋で、『最後に売れたらいいから』と突然ボソッと言ったのです。この言葉でゴミ清掃員として一生懸命やろうと奮起した滝沢は、区域や民度によって出されるゴミの種類が違うと、1週間ほどツイート。有吉がリツートしたことで編集者の目に止まり、書籍化のオファーにつながったのです」(芸能関係者)

 ゴミ清掃員として、最初にテレビ出演したのは有吉の番組。ところが、笑わせようとするあまり大すべり。再び呼びだされた。

「『お前、芸人でダメだったんだろう。ゴミで話題になったんだから、ゴミのことを誠実に伝えろ』と言われたのです。そこから笑いを捨て、ゴミの実態を正確に伝えるようにしたとか」(前出・芸能関係者)

 テレビ、SNS、漫画、書籍などを通じて、誠実に正確な情報を発信していると、20年に環境省から「サステナビリティ広報大使」に任命され、小泉進次郎環境相(当時)と対談した。コロナ禍で家庭ゴミが増えた同年には、東京都のライブ配信で小池百合子都知事とも対談している。

 もう中と滝沢は、有吉に一生足を向けて寝られない。

(北村ともこ)

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