ドバイ万博、最大の勝ち組は「スシロー」だった?

 昨年10月にアラブ首長国連邦で開幕し、3月31日まで開催予定のドバイ万博。コロナ禍の影響で1年延期となったうえ、さらに開催後にもオミクロン株の感染拡大など逆風に見舞われたが、それでも2月中旬時点での累計入場者数は1200万人を突破。中東初となる万博は成功と言っていいだろう。

 世界192ヶ国が専用のパビリオンやブースを出展。日本館の入場者数はトップクラスの盛況だが、なかでも大人気なのがパビリオン内で営業中の回転寿司レストラン「スシロー ドバイ万博店」だ。

 アラブ圏のイスラム教徒に配慮したハラルメニューを多数取り揃え、日本よりは割高ながら1皿200〜750円と現地相場から考えるとかなりリーズナブルな価格で提供。日本同様、サイドメニューも充実し、マイクロチップ入り専用皿での独自集計システムなど国内の店舗と限りなく同じ仕様で大好評。平日でも2〜3時間待ちは当たり前の、会場内で最も人気のあるレストランとなっている。

「12月には従業員10名がコロナに感染し、臨時休業に追い込まれましたが、営業再開後は相変わらずの人気ぶりです。スシローで回転寿司を食べたいがためにわざわざ会場に足を運ぶ人もいるほど」(飲食業界誌編集者)

 同万博には国内外の多数の企業が参加しているが、なかでも最も知名度を上げることに成功したのがスシローだと言われている。

「寿司は世界中で食べることができますが独自のアレンジが施されているケースが多く、王道の日本の寿司を食べられる店は意外と少ないんです。そんな中、万博という世界最大の見本市でPRに成功しました。同社は今後、積極的な海外展開を掲げており、これ以上ない追い風となるはずです」(同)

 確かに、世界プロモーションでこれだけの知名度アップを勝ち取るには莫大な費用がかかるだろう。それを考えるとドバイ万博最大の勝ち組は、やはりスシローだったのかもしれない。

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