米電気自動車メーカー大手のテスラは、クラクションをおならの音やヤギの鳴き声に変更することができるおふざけ機能「ブームボックス」が、歩行者との衝突リスクを高める可能性があることから約58万台をリコールすると発表。ただ、これについてイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)はかなり不満を持っているようだ。
「ブームボックスは2020年に実装された機能で、20~22年製のModel S、Model X、Model Yと、17~22年製のModel 3の一部に搭載され、事前に登録されているものや自分で設定したサウンドを車外スピーカーから再生します。しかし、この機能を利用した場合、EV車に義務付けられている歩行者に車の接近を知らせるPWS音がかき消されてしまうという苦情が寄せられ、米運輸省道路交通安全局(NHTSA)が調査した結果、衝突リスクが高まると判断されたのです」(社会部記者)
このリコールを受けマスク氏は、自身のTwitterに「ファンポリス(=他人の楽しみを邪魔する人)がそれを私たちにさせた(ため息)」と投稿、不満をあらわにしている。というのも、テスラはこの半月で、リコールが4回目にのぼるためだ。
「テスラといえば、運転中にビデオゲームが遊べる機能が搭載されていたことで物議を醸したこともあり、今回のおならクラクションも同様で遊び心が過ぎるところがありますね。同社は4四半期連続で最高売上高を更新するなどコロナ禍でも絶好調ですが、最近では交差点で完全に停止しない不具合やボンネットが走行中に開く不具合など笑えないリコールもあり、これ以上リコールを頻発させていては信用問題にもかかわってくるのではないでしょうか」(経済ジャーナリスト)
マスク氏も、まさかおならクラクションでリコールするハメになろうとは想像もしていなかっただろう。
(小林洋三)