シーサイドライン逆走事故で広まる「クルマは大丈夫?」の不安の答え

 6月1日の夜、自動運転で運行する横浜市の新交通システム「シーサイドライン」が逆走し、乗客14人が怪我をする事故が起きたが、5日の時点でも事故原因は分かっておらず、“自動運転”そのものに対する不安が広がっている。

「シーサイドラインの自動列車運転装置は、路線の全データを記憶しており、駅と車両で情報をやり取りして、発進や停止、速度などを自動的に検出して走行しています。1989年の開業以来、一度の事故もなくオーバーランすらしたことがなかったそうで、利用者の多くも《有人運転よりも安全》との意識を持っていただけに余波は非常に大きいものがあります」(社会部記者)

 今回の事故により、《クルマの方は安全なのか?》と心配する声も少なくない。

「クルマとシーサイドラインでは自動運転のシステムがまったく異なるため一概には言えませんが、シーサイドラインが用いている自動列車運転装置の方は原始的な作りであることは確かです。自動運転のクルマは障害物をカメラで認識し、自動的にそれを避けるなど高度な技術が使われているのに対し、シーサイドラインには障害物に対して自動ブレーキが働く仕組みもないことから、車止めに反応せず衝突してしまったわけです」(鉄道ジャーナリスト)

 また、その古い技術を使い続けたのには、「これまで事故がなかったことからの自信もあったからでは」(同)という。

「それに比べれば、自動運転のクルマは最新技術を用いているため、絶対に安全とは言いきれないものの、技術開発に影響することはほぼないと思われます。むしろ懸念されるのは、東京都内を走る山手線など、自動運転化への実現に向け試験が行われている列車への影響です」(同)

 何より安全第一の技術開発を進めて欲しいものだ。

(小林洋三)

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