ニトリの“恩返し”が太っ腹すぎ!室蘭市有地を「最低価格の23倍」で落札

 12月10日、北海道室蘭市が売却する旧市営住宅汐見団地の優先交渉権者に選ばれた家具大手のニトリホールディングス(HD)の落札価格が、市が設定した最低売却価格の約23倍となる4億5000万円だったと「北海道新聞」が報じた。同市によれば、この落札価格は過去10年の市有地売却における最高額だそうで、「(落札価格が)誤りではないか」と確認したほどだという。

「市有地の入札では最低売却価格で落札されるものも少なくありませんから、室蘭市も売却価格は2000万前後と想定していたのかもしれません。それが、フタを開けてみれば23倍となる4億5000万円ですから、相当驚いたのではないでしょうか。落札された汐見団地は、東町にある『ニトリ室蘭店』の移転先として2023年11月の開業を予定しているそうです」(地元記者)

 今回、ニトリが最低売却価格を大幅に上回る価格で落札したのは、北海道発祥で現在も札幌市に本社を置く「ニトリ」の地元への恩返しだったという。

「ニトリHDの会長である似鳥昭雄氏は社会貢献活動にも熱心で、東日本大震災が発生した際には総額29億円の寄付をしているほど。特に地元である北海道への貢献は大きく、2005年にスタートした『ニトリ北海道応援基金』では総額1億円の助成をしていて、財政破綻した夕張市には『企業版ふるさと納税』を立ち上げて5億円の寄付を表明しているのです。北海道は新型コロナウイルスの影響で経済に大きな打撃を受けていますから、今回の高額落札も地元への恩返しの意味合いが強いのではないでしょうか」(経済ジャーナリスト)

 今回の報道にネット上では、《さすがはニトリ!落札も「お値段以上」でしてくれるのですね。道民の誇りです!》《地域と共に一緒に街の活性化を図りましょうって感じがとても素晴らしい!》《室蘭もさびれてきてるから、活性化しようとしてくれる企業があるのは本当に嬉しい》《34期連続で増収増益を続けるニトリは違う。コロナ禍で苦しい時にこういうことをしてくれるのもさすがだと思う》など絶賛する声が相次いでいる。

 道民のみならず、全国でニトリの評価は爆上りのようだ。

(小林洋三)

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