「マンダム」卵アレルギー被害で“自主回収”に「やりすぎ」の指摘が出た理由

 化粧品メーカー大手のマンダムは12月7日、頭皮のにおいを抑えるデオドラントスプレー4商品に、卵アレルギーをもつ2歳~10歳の子どもへの健康被害が3件確認されたため、計108万本を自主回収すると発表した。しかし、4商品にはアレルギーを引き起こす可能性があると記載されていたことから、《自主回収はやりすぎでは?》といった声も見られる。

「自主回収が発表されたのは、『マンダム モワトレ薬用デオドラントショット』の無香料、シャボン、ひんやりクリアハーブの3種に『ルシード薬用頭皮とカラダのデオドラントジェットスプレー』を合わせた4商品です。これらの商品は2019年2月と20年4月に発売され、すべて卵白由来の『リゾチーム塩酸塩』を含んでおり、そのことも明記されていました。しかし、20年7月までに2件の健康被害を確認したため、ホームページに加え21年2月以降は商品ラベルにも、卵アレルギーの人の使用を控えるよう注意喚起をして販売していたのです」(社会部記者)

 それでも今年9月に3例目が確認されたことから、現在はすべての子供が回復しているもののマンダムは自主回収を決めたという。これには《注意喚起した上でそれでも被害が出るなら自主回収をするというマンダムの姿勢は素晴らしい》と称賛する声が上がる一方、《注意喚起しているのに自主回収までするのはやりすぎでは?》《卵白由来というのは当初から記載されていたようだし、アレルギーを持つ子供の親が注意して使用すればいいだけでは?》といった指摘があがっている。

「マンダムが自主回収を決めたのは、去年5月に起きた健康被害が、アナフィラキシーショックを引き起す重症だったことも大きかったといいます。いくらホームページや商品ラベルで卵アレルギーに対する注意喚起をしていても、大人が使用したものをたまたまアレルギーを持った子供が吸い込んでしまう可能性も十分にあり、アナフィラキシーショックによる重症例が相次げば大事ですからね。マンダムの対応は賢明だったと思います」(フリージャーナリスト)

 購入する側も、商品に記載された使用上の注意や注意喚起を確認すべきだろう。

(小林洋三)

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