“温暖化に消極的”と日本が2年連続「化石賞」受賞に「あの国は?」の大疑問

 11月2日、国際NGO「気候行動ネットワーク」(CAN)は、前回に続き2年連続で「化石賞」に日本が選ばれたことを発表した。同賞は気候変動に関する国際会議「COP26」に合わせ地球温暖化対策に消極的な国などに対して非難と皮肉を込めて授与される不名誉な賞だが、日本が選ばれた選考理由に対しては疑問の声が相次いでいる。

「岸田文雄首相はCOP26の演説で、『気候変動という人類共通の課題に我が国として総力を挙げて取り組んでいく』と語り、途上国への追加支援も表明しましたが、CANによれば岸田首相の言う支援が石炭火力発電所の推進になる可能性があり、日本が石炭火力発電所の廃止を名言しなかったことも受賞の理由であると説明しています」(社会部記者)

 さらにCANは岸田首相に対し「目を覚まして」と呼びかけ、「気温の上昇と石炭の段階的廃止を2030年までに行うという現実的な取り組みが必要」と訴えているわけだが、これにネット上では《CANの説明を見る限りでは、推測だけで日本を批判しているように思える》《温暖化の原因である二酸化炭素をダントツで世界一排出している国があるのに、それを問題にしないのはなぜ?》《日本って二酸化炭素排出量は世界的に多い方だけど、割合で言ったら3%くらいじゃなかったっけ?》など日本の受賞を疑問視する声が多く見られる。

「最新のEDMC/エネルギー・経済統計要覧によると、世界の二酸化炭素排出量は中国が95億トンで全体の28.4%を占め1位となっており、2位はアメリカの49億トンで14.7%、そして日本はというと5位の10億トンですが、これはあくまで全体の3.2%にしかすぎません。しかし、これまで『化石賞』は日本の他にアメリカやオーストラリア、ロシア、カナダなどが受賞しているものの、中国は一度も受賞していない。なお、日本の途上国への追加支援に対してはジョンソン英首相が『日本が前進したのは素晴らしいことで、他国もそうしなければならない』と語るなど絶賛する声もあるのです」(ITジャーナリスト)

 明治天皇の玄孫で政治評論家の竹田恒泰氏は自身のツイッターで「化石燃料の効率的な利用に世界で最も貢献してきたその日本に『化石賞』とは無礼千万」とCANを批判しているが、何やらモヤモヤする評価だ。

(小林洋三)

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