パキスタンは気温49度で病院パンク寸前!メキシコではサルが大量死…今年の夏の暑さがハンパない“前兆”

 まだ5月だというのに、25日には四国地方や九州地方の一部で30℃超えの真夏日を記録した。その後は梅雨空となったが、今年の夏も「過去に経験したことのない」ような酷暑が予想されている。

 WMO(世界気象機関)は、昨年の夏を観測史上、世界の平均気温が最も高かった年と発表しており、異常気象により世界中で熱波や干ばつ、大規模な洪水、山火事などが多発。その影響を受けて農作物の不作が深刻化し、食料価格が高騰した。

「WMOによれば、世界各地で発生している洪水や暴風、干ばつなどの気象災害発生件数は、この50年間で約5倍に増加しているという。気候変動の背景には数年に一度発生するエルニーニョや、ラニーニャに加え、化石燃料の燃焼による温室効果ガス等、人間活動による『地球温暖化』があることはよく知られる話ですが、途上国の中には、まだまだ温暖化対策に対する意識が低い国も少なくない。そのため、気温の高い状態が長期化するなど気候パターンが変化し続け、結果、自然界のバランスが崩れていると考えられています」(環境問題に詳しいジャーナリスト)

 すなわち、そんな自然界におけるバランス変動の表れが、昨年、過去最高を記録した「世界平均気温」というわけだが、今年もすでに前年同様、いや前年を上回るような、異常現象が世界各地で見られ始めている。

「パキスタンのカラチでは、まだ5月だというのに気温49度を記録し、熱波のため全土の病院に熱中症患者があふれかえっていると報じられています。カラチは緑地率5%という極端に緑が少ない街で、コンクリートの建物が密集し熱い空気の逃げ場がない。そんな環境の中に1500万人弱の市民が暮らしていることから、あっと言う間に気温が上昇。1日で数百人の熱中症患者が出た。地元メディアによれば、この猛暑は6月下旬のモンスーン時期まで続く可能性があり、そうなった場合、さらなる気温上昇は必至です」(同)

 熱波に襲われているのはパキスタンだけではない。メキシコでは、なんと野生のサルが脱水症状などで、まるで「リンゴが木から落ちる」ように次々と死んでいる、との報告例が相次いでいるというのである。

「AP通信によれば、死亡が確認されているのは、メキシコ湾岸沿いの南東部タバスコ州に生息するホエザルで、このサルは中南米の熱帯の森林に生息するため、本来暑さには強いはずですが、5月16日以降、少なくとも138匹の遺体が確認されたそうです。地元の生物学者はAP通信の取材に対し、死亡原因は高温や干ばつに加え、それらが引き起こした森林火災による水や食料不足などではないか、と説明していますが、いずれにせよ温暖化によりサルの生息環境が激変したことが要因であることは間違いない。このまま地球温暖化が続けば、人間でも同様のことが起こっても、なんら不思議ではないということです」(同)

 今年の夏も昨年同様、いや、それ以上の殺人的暑さを経験することになることは間違いなさそうだ。

(灯倫太郎)

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