意外!新庄ファイターズは「堅守」「礼節」のチームになる

 北海道日本ハムファイターズが「新監督・新庄剛志」を正式に発表した。今季は最下位、3年連続Bクラスに沈んだチームを活気づけるにはうってつけの人選だが、意外な評価も聞こえてきた。「日本ハムは守備のチームに生まれ変わる」というのだ。

 日本ハムでの現役時代、こんなことがあったそうだ。攻守交代で新庄がセンターの守備からベンチに帰って来るなり、

「何で、あの球種を投げたの?」

 と、バッテリーに質問した。

 センターの守備位置からも、捕手の構えたミットが内角なのか、外角なのかくらいは分かる。しかし、新庄は球種まで質問した。

 新庄は「オレは見えるんだ」と、キャッチャーが出すサインが見えたと言って笑いに変えたが、本当は勉強家なのだ。自軍投手の持ち球、バッテリーの配球の傾向がインプットされていて、それに合わせて守備位置を微妙に変えるなどしていたのだ。

 一般論として、バントシフトに参加しない外野手は守備に詳しくないとされている。しかし、新庄は試合中も外野から内野の動きを観察しており、内野手と同等に語り合えるほど野球に詳しくなっていたそうだ。

「バッテリーの配球サインについても、意見していました。外野から見た相手打者の雰囲気、自身が処理した打球の勢いからどんなボールを狙って打ったのかなどを明確に伝えていました」(プロ野球解説者)

 また、新庄といえば、ド派手なパフォーマンスの印象が強いせいか、「軽いヤツ」と思われがちだが、実際は違う。現役時代、第1打席でバッターボックスに入る際は、必ず「コンチワ!」と、相手捕手と球審に挨拶していた。上下関係にも厳しいそうだ。年長者やフロント幹部にはきちんと敬語を使っており、それができない後輩には注意していた。

「相手の顔を見て挨拶しないのがイヤみたい。挨拶のできない後輩を叱るのではなく、『カッコ悪いじゃん?』という言い方で諭していました」(球界関係者)

 守備の強化だけではなく、礼儀や挨拶にも厳しいチームに変貌するのでは……。新庄監督を「パフォーマー」だと思ってかかったら、痛い目に遭いそうだ。明るく、でも、上下関係に厳しい“新たな新庄劇場”が始まる。

(スポーツライター・飯山満)

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