最近のテレビ番組には欠かせない東大生タレント。業界では昔から重宝されてきたが、現在は東大ブランドありきの番組も少なくない。だが、現役東大生や東大出身という看板を前面に出しているタレントが多い一方、そこに頼ることなく活躍する芸能人もいる。
その代表格が香川照之。これまで数多くの映画・ドラマに出演してきた名実ともにトップクラスの俳優だが、出身は東大の文科三類(文学部)。しかも、現役で合格している。
金曜MCを務める10月スタートのTBSの朝の情報番組『THE TIME,』では、本業のキャスター顔負けの知性と博識ぶりがコメントの節々から感じられるが、それも彼の経歴を知れば当然のことなのかもしれない。
「しかも、彼は『東大に行ったことがずっとコンプレックスだった』と話しています。普通は東大を出て役者になろうと考えないし、目指したところで色眼鏡で見られてしまう。若いころからそういった重圧と戦ってきたのでしょう。出身大学アピールも一切しなかったのは、逆に東大卒であることが足かせになったからです」(芸能ジャーナリスト)
ほかに、今年7月に2回り近く年下の女性歌手との不貞疑惑が報じられたシンガー・ソングライターの小沢健二も東大文科三類の卒業生。こちらは一浪での合格で、大学在学中にデビュー。ファンは彼が東大であることを知っていたが、当の本人はそれについて語ったことは数える程度しかない。
「デビュー後、早い段階で売れたため、話題作りのために東大生をアピールする必要もありませんでした。彼はミュージシャンですし、そういった形で扱われるのを望まなかったのでしょう」(同)
あと、謎解きクリエイターとして現在引っ張りだこの松丸亮吾も出始めのころは、〝東大生でメンタリトDaiGoの弟〟と枕詞のように紹介されていたが、それも最初のうちだけ。しばらくすると東大生といった形で紹介されることはほとんどなくなった。
「学歴をウリにするその他大勢の東大生タレントから完全に頭ひとつ抜け出した形です。彼らの多くは在学中限定のバイト感覚でテレビに出演していますが、彼は本気でタレントという仕事に取り組んでいる。そこを評価しているテレビマンは多いですね」(同)
芸能界は一般社会と違い、東大というブランドだけで通用するほど甘い世界ではないようだ。