国内外にクラシックカーや旧車の愛好家は多いが、せっかく高いお金をかけてレストアしても昔の車ゆえに燃費が悪く、ちょっと走らせただけでもガソリン代はバカにならない。
そんな中、両備ホールディングス(岡山市)がこのほど、旧式の自動車を電気自動車(EV)に改修する新事業をスタート。第1弾として同社のグループ企業が所有する1969年製造の英オースチン社製造のロンドンタクシーを、環境に優しいEV車として復活。今後は役員用の車両として使用する予定とのこと。
同社は岡山県最大の路線バス会社、両備バスを傘下に抱え、その整備工場を前身とした両備テクノモビリティーカンパニーがEV車への改修作業を担当。将来的にはオリジナルEV車両の開発と並び、中心事業に成長させるつもりだという。
「クラシックカーや旧車は最近の自動車とは構造が違い、整備やレストアなども大変です。これまでは街の整備工場などが請け負っていましたが、対応できる業者が限られており、ましてや規模の小さな整備工場ではEV化は困難です。その点、こちらの会社は整備士も130人在籍し、整備工場としてかなりの規模。実際、依頼を検討している方は多いと聞きます」(自動車ジャージャナリスト)
ちなみに気になる値段は、車両次第のようだがロンドンタクシーにかかった費用はレストア代310万円+EV化400万円の計710万円。国産車なら新車を購入してもおつりが来る値段ながら勝算はあるようだ。
「レトロ系の自動車を所有、収集している方の大半は会社経営者などの富裕層です。『当時のエンジンで乗りたい』というこだわりを持っている人も多いと思いますが、なかにはすでに動く状態でなかったり、修理しようにも部品が手に入らないというケースも多い。マニアであれば、車を走らせたいという欲求が一番強いので、市場としても拡大していくのは間違いないはず」(同)
このEV化が普及していけば、クラシックカーや旧車の販売市場も活性化していきそうだ。