訪問者が語る独裁国家ベラルーシ、じつは美女大国だった?

 東京五輪開催中、母国から強制帰国を拒否し、ポーランドに亡命したベラルーシの女子陸上代表のクリスチナ・チマノウスカヤ選手。帰国すれば収監などの処罰を受けることを示唆されていたことを彼女は後に明かしている。

 ベラルーシは〝ヨーロッパ最後の独裁者〟と呼ばれるルカシェンコ大統領が27年にわたって支配する事実上の独裁国家。5月には同国領空を通過中の民間機に強制着陸を命じ、搭乗していた反政府派の政治活動家、ラマン・プラタセヴィチ氏が拘束されている。

 そんなベラルーシの首都ミンスクに5年前、旅行で訪れたライターのトシタカマサ氏は、「街中には私服の秘密警察があちこちにいて、市民や外国人を監視している」と話す。

「現地訪問歴のある知人からそう忠告され、『政権批判は厳禁。政府関連施設の撮影もNG』とも言われました。ミンスク滞在中はその言いつけを守っていましたが、市内で秘密警察ではないですが制服を着た2人組の警官に職務質問を受けてしまったんです」(同)

 パスポートを見せ、訪れた目的や滞在日数、宿泊先をホテルなど尋ねられ、質問自体はありきたりな内容だったとか。しかし、それだけでは終わらず、持っていたスマートフォンとデジカメの画像をチェックされたという。

「街の広場や教会など観光名所になっているところしか撮影していなかったので、しばらくして『OK』って解放してくれました。ただ、終始険しい表情だったので拘束されるんじゃないかと恐怖は感じました」(同)

 物価自体はどのEU加盟国よりも安かったそうで、郊外は森や湖が多くて自然が豊か。料理はパプリカや赤いカブのようなビーツなどを使った彩り鮮やかなものが多く、旧ソ連圏だけあってウォッカの種類も充実していたとか。

「いかにも旧共産圏という街並みでしたが、繁華街は意外と賑やかな雰囲気ですし、現地の人も話してみるとみんなフレンドリー。あと、モデル並みの容姿のブロンド美女が多かったのもすごく印象的でした(笑)」(同)

 観光目的で訪れる分にはそれほど悪い国ではないのかもしれない。

(高島昌俊)

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