巨人移籍で中田翔は「坂本の舎弟」に鞍替え!?

 中田翔内野手の巨人入りのウラ事情が見えてきた。

 8月20日、移籍会見が開かれた。場所は東京・大手町の巨人球団事務所だ。中田の自宅は札幌ドームにクルマで通える通勤圏内にある。メディアが「中田放出」と騒ぎ始めたのは同日午前9時過ぎ。北海道-東京間の移動時間を考えると、早朝便の飛行機に搭乗しなければ、11時過ぎの会見には間に合わない。

 中田の巨人行きは、かなり前から動いていたと見るべきだろう。

「19日夜から20日午前にかけ、原辰徳監督のケータイに色々な人から連絡が入っていたそうです。梨田昌孝氏、稲葉篤紀氏からも『宜しくお願いします』と伝えられました。梨田氏は元日本ハム監督、稲葉氏は現役時代、中田のアニキ分でした」(球界関係者)

 失敗もあったが、中田が愛されている証拠でもある。また同時に、中田放出は日本ハム関係者の間で20日の会見前に広まっていたとも解釈できる。

 日本ハム、巨人双方の関係者の話を総合すると、栗山英樹監督が「正直、このチーム(での復帰)は難しいと思っている」と言った16日の会見前後に、原監督とコンタクトを取っていたのは間違いなさそうだ。

「坂本勇人たちの世代だと思いますが、一部の巨人選手に『中田を獲得するが?』とこっそり打ち明けていたようです。彼らがウェルカムと回答したので、原監督も決断できたようです」(同前)

 8月17、18日の松山遠征中のことだ。この時点で、中田も日本ハム球団から放出の通達があったと見るべきだろう。

 また、中田は会見後、東京ドームに向かい、練習に参加している。これは原監督の要請だという。巨人ナインと一緒に練習させることが打ち解けるための近道であり、サイズは合っていなかったが、新背番号「10」の練習用ウエアも用意されていた。

「中田はホームラン王のタイトルがどうしてもほしいと思っています。東京ドームを本拠地とするこれからの野球人生はプラスに転じるのでは」(ベテラン記者)

 救いの手を差し伸べてくれた恩義は中田にも伝わっているはずだ。栗山監督のためにも、中田は新天地で「本塁打王」のタイトルを狙う。

(スポーツライター・飯山満)

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