ドラッグの蔓延も深刻な問題だ。警視庁は7月13日までに東京五輪の電気技師スタッフとして来日していた外国籍の男4人を薬物使用の容疑で逮捕した。
「五輪のような国際大会になると、短期間で集中的に外国人が入国するので、税関検査の漏れはどうしても増えてしまう。持ち込む手口も進化していて、薬物を入れた避妊ゴムを飲み込んですり抜ける輩もいます」(石原行雄氏)
五輪のドサクサに紛れてあらゆるドラッグが日本に持ち込まれた可能性が指摘されている。
「日本では何でも手に入るというのが不良外国人の共通認識。街娼にしろ薬物にしろ、全てが犯罪組織と通じているので、相乗効果で莫大な利益を生むのです」(北芝健氏)
無観客とはいえ、世界のメディアが注目する東京五輪。大規模な国際犯罪にも警戒が必要かもしれない。
北芝氏が続けて危機感を露わにする。
「テロ組織が世界にアピールする上で、五輪以上の舞台はありません。イスラム国が拠点を失い、壊滅状態になっても、過激派組織は世界中に存在。フィリピンではイスラム系武装組織が軍を相手に戦闘を繰り広げるなど、小競り合いは世界各地で散見されます。こうした反政府組織がテロを目論んでいても不思議ではありません」
72年のミュンヘン・テロ事件では、パレスチナのゲリラ集団がイスラエルの選手団を襲撃。選手、コーチら11名が命を落とした。
「殺害まではいかなくても、選手団を拉致して人質に取る程度の妨害工作は考えられます。そこで『反政府』を訴えて、その国の軍や治安当局に揺さぶりをかけるのです」(北芝氏)
驚愕テロのニュースが世界に発信されれば、「安心安全」を謳う日本も赤っ恥をかくことになりそうだが、石原氏は早くも五輪閉会後を見据えている。
「ウガンダ人選手が行方をくらまして騒動になりましたが、ピークは大会が終わってから。この問題の根はもっと深く、逃亡した外国人は、正規の在留カードなどは持てませんから、闇の稼業に取り込まれやすい。彼らが不法滞在者となって働くことで、反社会勢力が潤うことになります」
母国へ送金するためなら手段を選ばず。そんな不良外国人を野放しにすれば治安悪化は避けられまい。
「日本の皆さんのリスクはゼロ」
IOCのトーマス・バッハ会長は15日の会見でこう強調したが、これ以上の厄介ごとが起きないよう祈るばかりだ。
*「週刊アサヒ芸能」8月5日号より