東京五輪「無観客なのに何で?」首都高値上げ実施に高まる批判

 東京五輪による交通抑制対策として、7月19日から首都高速道路は1000円の割増料金が適用される。首都高管内である1都3県では無観客開催となり、臨時列車の運行中止などが決まる中、なぜか首都高の割増料金はそのまま適用されることとなり、ネット上では怒りの声が相次いでいる。

「首都高では7月19日~8月9日、8月24日~9月5日の期間、6時~22時までの時間帯はタクシーや物流関連の車両、福祉車両などを除く普通車、二輪車は一律で料金が1000円上乗せされます。首都高はETCを利用した場合の基本料金は普通車で300円~1320円となっているので、期間中は短距離の利用でも最低で1300円の支払いが必要になるわけです。なお、逆に0時~4時まではETC搭載車は50%の割引きが適用されます」(社会部記者)

 大会組織委員会は無観客開催でも「大会関係者の円滑な輸送のために必要」と首都高値上げの理由を説明しているが、ネット上では《国民のことをないがしろにして、本当に何のためのオリンピック?》《大会関係者が快適に移動するためだけに国民は不利益を被らなければならないんですか》《タクシーや物流以外だって仕事で首都高は使うんだよ。マジでオリンピックは百害あって一利なしだ》など批判が殺到している。

「会場に客は入れないわけですから通常の交通状況とほぼ変わらないわけで、大会関係者のためだけになぜ首都高が値上げされなければならないのか、矛盾を指摘する声が上がっても仕方がありません。これもまた、ギリギリになって“撤回”で大混乱…なんてことにならなければいいのですが」(ITジャーナリスト)

 いったい何のための五輪なのか、改めて考えさせられる。

(小林洋三)

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