大谷翔平もよりスゴい!?「異競技二刀流」アスリートたち

 日本のみならず米国のメディアやファンも虜にしているエンゼルスの大谷翔平。オールスター戦の選出も確実視され、シーズンMVPの最有力候補にも名前が挙がっている。

 ベーブ・ルース以来となる本格的な二刀流に熱狂しているわけだが、あくまでこれは同じ野球という枠内での話。世界には異なる2つの種目に挑んだ異競技二刀流アスリートたちが数多く存在する。

 なかでも忘れられないのがボー・ジャクソンだろう。MLBで8年、NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)は4年と現役の期間は短いが87~90年の4年間は両競技で主力として活躍。どちらもオールスター戦の出場歴があり、米国の長いスポーツ史でもマルチアスリートとして語り継がれている。また、マイナー止まりだったが〝バスケットの神様〟マイケル・ジョーダンの野球挑戦も当時は連日大々的に報じられていた。

 他にもサッカー界では、今シーズン11年ぶりのリーグ制覇に貢献したイタリア・セリエAのインテルに所属する元クロアチア代表FWのイヴァン・ペリシッチが17年、サッカーのオフシーズンにビーチバレーのクロアチア代表として国際大会に出場。一方、5月にチャンピオンズリーグを優勝して欧州王者となったチェルシーに所属する元チェコ代表GKのペトル・チェフは、イギリスのアイスホッケーチーム、ギルドフォード・フェニックスのGKとしても活躍している。

 一方、サッカー元フランス代表DFで、98年W杯優勝メンバーでもあるビゼンテ・リザラズは、引退後の09年にブラジリアン柔術の欧州王者に。10年W杯優勝メンバーの元ドイツ代表GKのティム・ヴィーゼは16年からプロレスラーに転身し、今や世界最大のプロレス団体WWEのトップレスラーのひとりだ。

 日本人でも古くは甲子園優勝投手から西鉄(現・西武)を経て、賞金王12回のプロゴルファーとして殿堂入りしたジャンボ尾崎、プロ野球からプロレスに転向したジャイアント馬場などがいるが、同時期に2つの競技に取り組んでいたケースは少ない。そんな中、スピードスケートと自転車で夏冬の五輪に出場した東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長は稀有なケースといえる。

 五輪開催の対応をめぐって国民やメディアからは連日叩かれているが、アスリートとしての実績はもっと評価されてもいいのかもしれない。

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