カリスマ馬券師・亀谷敬正「プロフェッショナル血統塾」<タフな馬場ならカンタービレ>

 競馬で勝つために要求される「能力の方向性」は、一定ではありません。スピードとスタミナ、あるいはスピードとパワーは、物理的にも相反する要素だからです。そして同じコースでも、「馬場状態」によって要求される能力は「正反対」と言えるぐらい大きく異なることも多々あります。

 ヴィクトリアマイルは、まさにそれ。勝ち馬、穴を出す馬の血統の傾向も「馬場状態」によって真逆ぐらい大違いなのです。

「雨が降ってタフな馬場」の場合は、スタミナ血統。ヨーロッパ(欧州)血統が走りやすいレース。ところが、「晴れ馬場の軽い馬場」では、スピード血統、米国血統が走りやすくなります。

 昨年、一昨年は中間、レース前に雨が降ってタフな馬場になりました。その結果、欧州血統、スタミナ血統、マイルより長い1800メートル以上に実績を残す馬が好走しました。昨年の勝ち馬で一昨年も3着のジュールポレールは、母父が欧州型。2着のリスグラシューも母父は欧州型で、芝2200メートルGⅠ(18年エリザベス女王杯)の勝ち馬です。一昨年の勝ち馬アドマイヤリードは、父が凱旋門賞でも好走馬を複数出しているステイゴールドで、2、3走前は1800メートルで連勝。2着デンコウアンジュは父も母父も欧州型です。

 しかし、3~5年前は高速馬場。米国血統、1200メートル適性の高い血統、1400メートル以下重賞の実績馬が走りました。14年から3年連続で馬券になったストレイトガールは、芝1200メートルGⅠ勝ち馬。父フジキセキはGⅠ勝ち馬を複数出した種牡馬で、母父もスプリントGⅠ勝ち馬のタイキシャトルです。

 今年も雨が降らず高速馬場ならスプリント血統、米国血統に注目。アエロリットは、父が米国血統で、スプリントGⅠ勝ち馬を複数出したクロフネ。昨年は雨馬場で欧州血統優勢のため力が出せませんでした。海外に出走した前走も、雨のタフな馬場だったため力を出せず。晴れて軽い馬場になれば、巻き返すでしょう。

 昨年、一昨年のようなタフな馬場になれば、カンタービレに注目。母父は欧州の名血ガリレオで1800メートル重賞勝ち馬です。ディープ×欧州型ノーザンダンサーの配合は、昨年、一昨年とタフな馬場で連続して馬券になったジュールポレールと同じです。

亀谷敬正(かめたに・たかまさ)テレビ、専門誌などでカリスマ的人気の若手血統馬券師。HPはhttp://www.k-beam.com 推奨レース、期待値の高いデータ満載の出走表も配信中。コンビニのコピー機でも予想を配信(Eプリント 亀谷で検索)。

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