横浜DeNA「最弱ドツボ」の悲哀劇場(2)家族までが誹謗中傷されて

 この間、投打の歯車がかみ合わなかったのは選手だけの問題ではない。右往左往する首脳陣の狼狽ぶりも災いしているようだ。球界関係者が語る。

「キャンプからオープン戦にかけて、バントや盗塁などの小技を駆使するスモールベースボールに力を入れてきました。ただし、ポンポンとホームランが出るハマスタとの相性はあまりよくない。結局、ラミレス時代の大味な打線にほぼ戻ってしまいました」

 出だしの掛け声も空しく、盗塁数9個(5月21日現在、以下同)は12球団断トツの最下位だ。

 独自のデータを重んじて選手を駒のように扱った前任者を、反面教師に見立てての起用も裏目に出ている。

「温情采配で試合を落としています。4月17日の巨人戦では、5回まで1失点と好投していたとはいえ、先発・上茶谷大河(24)を6回まで引っ張った。結果、その回だけで6失点の炎上。成長を期しての続投だったようですが、完全に代え時を見誤りました。ちなみに24日に挽回の機会を与えた登板でも、上茶谷は初回6失点KOだった」(スポーツ紙デスク)

 もはや打つ手なし。とうとう4月22日の阪神戦で10連敗目を喫する。「やるしかないんで‥‥、はい‥‥」と、三浦監督はうつろな目で言葉を絞り出すのが精いっぱいだった。

 不甲斐ないチームに対するファンの怒りは、三浦監督の家族にまで及んでいた。

「連敗中、某スポーツ紙で競馬記者をしている娘さんのツイッターアカウントに、球団を誹謗中傷するメッセージが寄せられるようになりました。中には家族の人格まで否定するような文言も含まれており、娘さんは相当落ち込んでしまったそうです。1万人近くフォロワーのいたアカウントでしたが、削除されました」(球界関係者)

 家族にも迷惑をかけた自責の念なのか、時を同じくして、番長の表情も沈んでいく。

「試合後の会見で何を質問しても『あぁ‥‥』や『う、うん‥‥』などと、言いよどむようになりました。本来はサービス精神旺盛な人柄です。春季キャンプ中の休養日には、番記者連中を引き連れて2軍の練習を視察しながら冗談を言い合う場面もありました。DeNAの取材は100%リモートで、負け試合は監督にしか取材ができないルール。気の利いたコメントをくれないので、おのずと紙面での扱いは小さくなるばかりです」(スポーツ紙デスク)

 極限状態にまで精神が参ってしまったのだろうか、5月12日に筒香嘉智がレイズから戦力外通告を受けたとの一報が届けられた時も、心ここにあらずのようだったという。

「『まだ新聞を見ただけなので、それについてコメントすることはないです』と、当たり障りのない言葉すら出てこない。そればかりか、娘さんから『筒香を呼び戻せばいいじゃない』と言われて、チームの弱小ぶりを再認識させられたのか、本気で参っていたそうです」(球界関係者)

 もはや悲哀を感じるほど、弱り切っているのである。

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