横浜DeNA「最弱ドツボ」の悲哀劇場(1)新人監督ワースト記録更新

 開幕から2度の大型連敗が響いて、そのまま最下位街道まっしぐらのベイスターズ。アテにしていた外国人やエースの合流も焼け石に水で、もはや〝暗黒時代〟に片足を突っ込んでしまったようだ。しかも新米監督は日増しに生気を失うばかりで‥‥。

 5月14日、わずか開幕42試合目で早くも自力Vが消滅。思えば、巨人と相対した開幕カードから不穏な空気が漂っていた。先発の濵口遥大(26)が、3回までに4安打5四球6失点の大乱調でKO。それでも9回の土壇場で、打線が驚異的な粘りを見せ、同点まで追いついたのに‥‥。守護神の三嶋一輝(31)が代打・亀井善行に劇的なサヨナラホームランを打たれてしまう。

「コロナの影響で主軸の外国人が不在でも、今季から加入した田中俊太(27)の3安打6打点の活躍などを見て、今年はイケるんじゃないかと期待した矢先でした。まさか、昨年はセーブ機会で一度しか失敗していない三嶋が被弾するとは」

 そう力なく肩を落とすのは、「4522敗の記憶ホエールズ&ベイスターズ涙の球団史」(双葉社)の著者で、熱狂的な横浜DeNAファン、ライターの村瀬秀信氏だ。翌日以降も苦しい戦況が続いた。

「2戦目は、オフにFA移籍した梶谷隆幸の満塁ホームランでトドメをさされて敗戦。翌日の3戦目では、先発の平良拳太郎(25)が6回途中に右ヒジの張りを訴えて降板するアクシデントが発生しました。5回まで一塁を踏ませないパーフェクトピッチングをしていましたが、後を引き継いだリリーフがリードを守れず勝ち切れませんでした」(村瀬氏)

 まるで悪いもののけに取りつかれたかのように、ハードな連敗は止まらない。

「極め付きは11‒11のハイスコアゲームになった4月1日のヤクルト戦でしょう。2回時点で9-5とDeNAがリードする試合運びでしたが、昨年抜群の安定感を誇っていたリリーフの石田健大(28)が炎上。これをきっかけに追いつかれてしまいます。この試合で悪い予感がもはや確信に変わりました。今年はダメかもしれないと‥‥」(村瀬氏)

 結局、4月4日の広島戦まで白星はお預け。今季から指揮を執る、三浦大輔監督(47)は就任早々、「8戦連続未勝利」という2リーグ制後の新人監督ワースト記録を塗り替えてしまう。スポーツ紙デスクが話す。

「それでも、三浦監督は楽観的でしたよ。ベンチ裏で気落ちする選手たちに『まだ始まったばかりだから、あきらめるな。今まで練習した成果を発揮してくれれば大丈夫』と鼓舞する余裕がありましたからね。真の地獄はこの後ですよ」

 まさに、その通り。4月9日の阪神戦で大型新人・佐藤輝明が横浜スタジアムで放った場外ホームランを号砲に、連敗街道がスタートしたのだ。

 現役時代に〝カミソリシュート〟を武器に、前身の大洋ホエールズで201勝を挙げた平松政次氏が振り返る。

「2度目の連敗は、とことん点が取れませんでした。13日から合流して、起爆剤と期待された主軸のソト(32)とオースティン(29)ですら、調整不足も相まってそうはならなかった。たまに打線が得点したと思ったら、今度は投手が打ち込まれてしまうんだから‥‥」

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